上司と部下の不倫が多い理由とは?社内不倫のリスクや対処法を徹底解説

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記事目次
上司と部下の不倫関係は、職場環境に深刻な影響を及ぼすだけでなく、関わる双方にとって計り知れないリスクを伴います。一時的な感情の昂ぶりが、信頼関係の崩壊、キャリアの喪失、そして精神的な苦痛へと繋がりかねません。個人の問題として片付けられがちな不倫ですが、職場における力関係の非対称性から生じるハラスメント問題や、周囲の士気低下など、組織全体に波紋を広げる可能性を秘めています。安易な関係が、取り返しのつかない事態を招く前に、その潜在的な危険性を深く理解することが不可欠です。本稿では、上司と部下の不倫が引き起こす具体的なリスクについて多角的に解説し、その関係がもたらす深刻な結末について考察します。
上司と不倫関係になりやすい理由とは
上司と不倫関係になりやすいのは、業務上の密な交流で物理的・心理的距離が縮まること、上司の包容力に魅力を感じやすいこと、そして日常生活での出会いの少なさから職場内で関係が深まりやすいことが挙げられます。以下で紹介します。
職場で費やす時間の長さと親密なコミュニケーション
会社員は、一日の大半を職場で過ごします。特に上司と部下の関係では、業務上のやり取りが頻繁に発生し、密なコミュニケーションを取る機会が多くなり、お互いの価値観や仕事に対する姿勢を深く理解し、尊敬の念を抱くようになることがあります。このような職場での密接な関わりが、恋愛感情へと発展する土壌を作りやすいと言えます。
上司が持つリーダーシップや包容力への魅力
仕事の経験が豊富で、部下の育成や問題解決においてリーダーシップを発揮する姿は、魅力的に感じられることがあります。部下が困っているときに手を差し伸べたり、親身に相談に乗ったりする上司の包容力は、精神的な安定を求める気持ちと結びつき、恋愛感情の対象となりやすい要因となります。
日常生活での出会いの少なさ
社会人になると、学生時代に比べて新たな出会いの機会が減少する傾向にあります。仕事が忙しい場合や、プライベートな活動範囲が狭い場合、職場は自然な出会いの場として機能することが多くなります。そのような状況下で、毎日顔を合わせ、共通の目標に向かって協力し合う上司は、身近な異性として意識されやすくなります。
上司との不倫が始まるきっかけ
上司との不倫は、多くの場合、仕事の相談や残業、出張などを通じた親密なコミュニケーションや、上司の持つ権力や包容力への魅力がきっかけで始まります。日々の業務で接する時間が長く、お互いを深く知るうちに、友情から恋愛感情へと発展することが少なくありません。
1.業務上の密なコミュニケーション
上司との不倫は、業務上の密なコミュニケーションがきっかけで始まることが少なくありません。共同プロジェクトや困難な課題に取り組む際、頻繁なやり取りを通じてお互いの仕事に対する真摯な姿勢や能力を深く理解し、尊敬の念を抱くようになります。特に、残業や出張などで長時間二人きりになる機会が増えると、業務外の個人的な会話も自然と増え、心理的な距離が急速に縮まります。仕事の悩みを共有し、共感や信頼感が育まれる中で、上司の頼りがいのある一面や、普段見せない素顔に触れることで、友情や尊敬から恋愛感情へと発展しやすくなります。
2.仕事の悩みやストレスの共有
上司との不倫は、仕事の悩みやストレスの共有がきっかけとなるケースも少なくありません。職場でのプレッシャーや人間関係の葛藤など、部下が抱える心の内を上司が親身になって聞き、適切なアドバイスや励ましを与えることで、深い信頼関係が築かれます。特に、精神的に弱っている時に寄り添ってくれる上司の存在は、心の拠り所となり、安堵感や安心感を与えます。このような共感と理解から生まれる精神的なつながりは、単なる上司と部下の関係を超え、次第に異性としての特別な感情へと発展していくことがあります。
3.上司の包容力への魅力
上司との不倫は、上司の包容力への魅力がきっかけとなるケースがよく見られます。部下は、仕事において的確な指示を出し、困難な状況でもリーダーシップを発揮する上司の姿に頼りがいや尊敬の念を抱きます。また、部下のミスをカバーしたり、親身になって相談に乗ったりする包容力は、部下にとって精神的な安心感を与え、守られていると感じさせます。このような上司の力強さや優しさに惹かれ、仕事上の関係を超えて、異性としての魅力を感じ、特別な感情が芽生えることがあります。
4.プライベートの延長線上の交流
上司との不倫は、プライベートの延長線上の交流がきっかけとなることも少なくありません。会社の飲み会や社員旅行、部署内の懇親会など、業務から離れた場で上司と接する機会が増えると、普段の仕事中には見えない人間的な側面や魅力に気づきやすくなります。アルコールの入った席でのフランクな会話や、共通の趣味が見つかるなど、個人的な接点が深まることで、自然と心理的な距離が縮まります。こうしたリラックスした環境での交流が、単なる同僚や上司部下の関係を超え、異性として意識し始めるきっかけとなり、不倫へと発展することがあります
5.相談役から異性への意識変化
上司との不倫は、当初は単なる相談役としての関係から、異性としての意識へと変化することで始まることがあります。部下が仕事の悩みやプライベートな問題を上司に打ち明ける中で、上司が親身に耳を傾け、的確なアドバイスを与えたり、時には弱音を吐いたりする姿に触れると、信頼感と共に特別な感情が芽生えやすくなります。上司が個人的な弱みを見せたり、逆に部下を特別に気遣う言動が増えたりすることで、「自分だけが知る一面」や「特別扱いされている」という意識が強まり、それが異性としての魅力を感じ始めるきっかけとなります。
6.日常生活での出会いの少なさ
上司との不倫は、日常生活における出会いの少なさが背景となるケースも少なくありません。社会人になると、学生時代に比べて新しい人との出会いの機会が大幅に減少する傾向にあります。特に仕事が忙しく、プライベートな活動が限られている場合、職場は最も多くの時間を過ごす場所であり、身近な異性と接する主要な場となります。このような状況下で、毎日顔を合わせ、共通の目標に向かって協力し合う上司は、自然と異性として意識されやすくなります。私生活での新たな出会いが少ない分、職場内で芽生えた感情に傾倒しやすくなり、不倫関係へと発展する一因となります
上司と部下の不倫におけるリスクとは?
上司と部下が不倫をした場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
また、その他の不倫関係と比較して、特に注意しなければならない点はあるのでしょうか。
発覚しやすい
上司と部下という関係は、会話の機会が多いため、その分会話の際の様子が他の人の目に留まる機会も多いことが一般的です。
そうなると、例えばとある上司が特定の人と話すときだけ明らかに態度が違ったり、上司と特定の部下のシフトが重なることが多かったり、二人きりで会議などをする回数が不自然に多かったりするなど、二人の不自然な関係が目に付く機会も多い、すなわち不貞関係にあるのではないかと疑われる機会も多くなります。
実際に、配偶者の同僚から連絡をもらって不倫関係に気づいたというケースも一定数存在するため、上司と部下の不倫関係は発覚しやすいという特徴があるといえるでしょう。
職場内での信頼関係が崩壊しやすい
上司と部下の不倫関係は、上記のとおり、職場内の人に勘付かれてしまうケースが多く、一度誰かに勘付かれると、噂が職場内に一気に広まりやすい傾向があります。
職場内の人間関係、特に仕事に関する評価は、同じ仕事をしたら誰がやっても同じだけの評価をされるということが前提となって形成されているものです。
しかし、上司と部下の不倫関係が職場の人にバレてしまった場合、その部下だけ優遇されているのではないか、その上司の部下になったらそのような目で見られるのではないかなどという疑念を抱かれ、実際に優遇等をしていなかったとしても、結果的に職場の人間関係や評価制度自体が崩壊しかねないリスクがあります。
退職や降格処分などに繋がりやすい
会社は、上記のような信頼関係の崩壊を防ぐため、「会社内の秩序を乱す行為」を就業規則などで禁止しているケースが多く存在します。
その場合、上司と部下が不倫をすることが「会社内の秩序を乱す行為」にあたるとして、人事評価でマイナス査定をされてしまい、降格処分などにつながることも考えられます。
また、そのような規定がなかったとしても、不倫関係が社内全体に広まってしまったような場合には、気まずさなどの理由から事実上退職せざるを得なくなってしまうケースも存在します。
懲戒処分の対象となる可能性も
上司が不倫関係にある部下を実際に優遇していたような場合には、会社の業務に悪影響を及ぼしたとして懲戒処分されてしまう可能性もあります。
懲戒処分の種類としては、戒告(注意)、減給、諭旨解雇や懲戒解雇などが考えられるところですが、実際に会社に与えた悪影響の程度や不倫関係の態様などによっては懲戒解雇に至るケースもないわけではない点に注意が必要です。
不倫相手の配偶者から慰謝料を請求される可能性がある
上司と部下の不倫関係に限った話ではありませんが、不倫相手の配偶者に不倫関係が発覚してしまった場合、慰謝料請求をされる可能性があります。
金額については相手夫婦の婚姻期間の長さや離婚に至るか否か、不倫関係の長さ等様々な事情が考慮されることとなりますが、数十万から数百万円に至るケースもあります。
先に述べたとおり、上司と部下の不倫関係は他の不倫関係より発覚する機会が多いため、慰謝料請求に至るケースも比較的多い印象です。
自身の配偶者から離婚を迫られる可能性がある
こちらも上司と部下の不倫関係に限った話ではありませんが、自身の配偶者に不倫関係が発覚した場合、離婚を切り出されてしまう可能性があります。
双方の配偶者にそれぞれ不倫が発覚した場合、それぞれから慰謝料請求をされることもあります。
それ以外でも、お子様がいる場合には離婚にあたって親権をどうするかについてトラブルになる可能性もありますし、財産分与等においても不倫関係の存在が考慮されて不利になってしまうケースもあります。
したがって、単純に慰謝料だけを払ってすぐ離婚して終わりとはならないことがある点に注意が必要です。
関係解消時にトラブルになりやすい
職場は生活に密着した場所である以上、そこで発生するトラブルは生活に大きな影響を及ぼす可能性が高いです。
また、勤務先の会社には住所などの個人情報が集積されているため、権限によってはそれらに容易くアクセスができてしまいます。
例えば上司と部下の不倫関係を解消しようと思っても、相手がそれを望まない場合、不倫関係を職場にばらすなどと言われたり、家族情報を調べて配偶者にばらすなどと言われたりしてしまう可能性も存在します。
その結果、生活の基盤まで失うことになりかねない点には注意が必要です。
部下が不倫関係を否定・セクハラを主張する場合の対処法
上司の立場で部下との不倫を精算しようとしていたところ、部下が会社に対して「望んでいないのにセクハラをされていました」と報告していた…そのようなケースも一定数存在します。
別れ話がこじれて虚偽の報告につながった、などの背景があるようです。
この場合、どのような対応をしなければならないのでしょうか。
①弁護士に早めに相談する
初動を間違えると問題はさらに悪化していきます。
対応方法も事案ごとに様々考えられるところですので、無理に自分だけでなんとかしようとせずに、まずは速やかに弁護士に相談することをお勧めします。
②メールやLINEのやり取りを証拠として残す
証拠が何もない状態では、毅然と争っていくことには困難が伴います。
特に重要となるのは不倫関係が継続している間のお互いのやり取りに関する証拠になりますので、メール、LINE、その他のメッセージ等のやり取りの記録を保存しておきましょう。
間違っても、「不倫の証拠を消そう」などと考えて軽々に削除してしまってはいけません。
③職場での事情聴取で正直に話す
上司と部下の不倫が発覚し、双方の主張が食い違う場合、会社としてはセクハラの有無の調査という趣旨で双方から事情聴取を行う可能性が高いです。
仮にそうなった場合には、答えづらい質問であっても、基本的には正直に回答するのが一番です。
根幹部分をぼかしたり、重要な点について回答しなかったりすると、相手の主張が真実なのではないかという印象に傾いてしまう可能性が高いからです。
逆に、最初から最後まで一貫した回答を行うことができ、客観的な証拠とも整合するということであればこちらの主張を認めてもらえる可能性も出てくるため、基本的には一貫して正直に回答する対応がお勧めです。
④同僚に余計なことを話さない
たとえ相手が親しい同僚であっても、余計なことを話すのは避けましょう。
同僚に悪意がなくても、職場から事情聴取があれば同僚も正直に話さざるを得ないでしょうし、その発言と自身の発言の趣旨が食い違うような場合には、自身の発言全部の信用性が低下することは避けられません。
また、同僚に話す内容が真実であっても、プライバシー侵害などとして違法である旨主張される可能性もあります。
基本的には会社からの事情聴取以外で余計なことは話さないことをお勧めします。
部下との不倫は上司の責任が大きいと認定される可能性もある
原則として、不倫は大人二人が行う行為のため、どちらか一方の責任が大きいというものではありません。
しかし、例えば上司であることを利用して関係の形成を狙ったとか、部下の立場から断りづらい状況だったと判断されてしまった場合などにおいては、不倫によって生じた悪影響の責任につき、上司のほうが大きいと評価されてしまうこともあります。
部下との不倫関係を解消する際のポイント
不倫関係を解消しようとする場合、何に注意しなければならないのでしょうか。
例えばマッチングアプリで知り合った第三者と一夜限りで不倫をした、という場合には、連絡先さえ消してしまえば関係解消となる可能性が高いですが、上司と部下の関係ではそうはいきません。
以下、ご注意点について解説します。
早期の関係解消を試みる
先に述べたとおり、職場内での不倫関係は他の不倫関係よりも第三者に発覚する可能性が高い傾向にあります。
期間が長引けば長引くほど発覚の可能性は高まりますし、発覚した場合に生活に及ぼす悪影響も大きくなります。
したがって、不倫関係を早期に解消する意識は重要となります。
円滑な関係解消を目指す
関係を解消する場合、例えば突然連絡を絶ったり、相手との連絡をすべてブロックして、職場で最低限の会話のみ行ったりするなどといった対応をするケースがあります。
しかし、上記のとおり、関係解消にあたってトラブルが生じた場合、職場全体を巻き込んだトラブルに発展しかねません。
そこで、関係を解消したい理由や、このまま関係を継続した場合のリスクなどを十分に説明したうえで、可能であれば自分が転職や部署異動などをして身を引く形で関係解消を試みるのが無難な対応といえるでしょう。
まとめ
上司と部下の不倫は、個人的な問題に留まらず、深刻なリスクを伴います。職場環境の悪化を招き、周囲の士気低下や不信感を生む可能性があります。また、不倫関係が明るみに出れば、双方の評価やキャリアに致命的なダメージを与え、最悪の場合、解雇や降格につながることもあります。さらに、ハラスメント問題に発展するリスクや、精神的なストレス、家族関係の破綻など、私生活にも深刻な影響を及ぼしかねません。
- 得意分野
- 不貞慰謝料、離婚、その他男女問題、刑事事件
- プロフィール
- 京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設