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慰謝料相場丸ごと解説!浮気や離婚で損しない金額にするための判断軸

投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀
慰謝料相場丸ごと解説!浮気や離婚で損しない金額にするための判断軸
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「パートナーに慰謝料を請求したいのだけれど、相場はいくらなのだろう?」
「精神的苦痛が理由で離婚しようと思っているが、いくらの慰謝料が請求できる?」

婚姻・婚約・内縁関係の2人の一方がパートナーに対して慰謝料請求する場合、慰謝料の相場は50〜300万円の範囲内に収まるのが一般的です。

慰謝料請求は、大きく分けると、以下の5つの原因に分類できます。

異性関係(不貞行為) 離婚も別居も
しない場合
50〜100万円
別居する場合 100〜150万円
離婚する場合 100〜300万円
配偶者義務を果たさない
(悪意の遺棄)
50〜300万円
暴力(DV) 10〜300万円
精神的虐待(モラハラ) 50〜300万円
性交渉拒否(セックスレス) 0〜100万円

このように、慰謝料の請求までに至る原因によって、慰謝料の相場は変わります。

ただ、慰謝料は、個別の状況や精神的苦痛の度合いなどを考慮して金額が決められており、相場に大きな幅があるのです。

そこで今回は、

  • 慰謝料を請求する側
  • 慰謝料を請求される側

上記どちらの場合でも、それぞれの状況にあった、正しい慰謝料相場を知るためのポイントを紹介します。

この記事でわかること
  • 5つの原因別の慰謝料相場
  • 原因別で慰謝料を請求できるケース
  • 原因別で慰謝料請求に必要な証拠
  • 慰謝料金額の算定基準

あなたが慰謝料請求で損をしないためにも、慰謝料の相場を理解して、自分の状況に適した慰謝料額をイメージしてみましょう。

【原因別】慰謝料の相場一覧

【原因別】慰謝料の相場一覧

婚姻・婚約・内縁関係にある二人の間で、相手に対して請求できる慰謝料の相場は、慰謝料請求をするに至った原因によって変動します。

婚姻関係(以降、婚約や内縁関係を含む)にある二人が、裁判に慰謝料請求を申し立てる動機としては、以下のようなものがあります。

令和3年司法統計年報 家事編「婚姻関係事件数

出典:令和3年司法統計年報 家事編「婚姻関係事件数」

上記のデータをみると、裁判で慰謝料を請求しているトラブルには、さまざまな原因があることがわかります。

慰謝料請求可能な原因別にみると、一般的な慰謝料相場は以下のとおりです。

原因別にみる慰謝料請求の相場
異性関係(不貞行為) 離婚も別居も
しない場合
50〜100万円
別居する場合 100〜150万円
離婚する場合 100〜300万円
配偶者義務を果たさない(悪意の遺棄) 50〜300万円
暴力(DV) 10〜300万円
精神的虐待(モラハラ) 50〜300万円
性交渉拒否(セックスレス) 0〜100万円

上記の表より、それぞれのケースにおける慰謝料相場についてご覧いただけます。お急ぎの方は、表内のリンクをクリックして、詳細をご覧ください。

相場をみてもわかるように、原因別にみた慰謝料相場は数十万円〜数百万円と、金額に幅があります。

金額差が大きい理由は、個々のケースによって夫婦間の事情・トラブル内容・精神的苦痛の重大さなどに違いがあり、単純に相場を計算できないからです。

あなたのケースに当てはまる、正しい慰謝料をイメージするために、原因別の慰謝料相場に加え、慰謝料を理解するために覚えておきたいポイントを、解説します。

離婚理由1位の「性格の不一致」では慰謝料は請求できない

夫婦の婚姻関係トラブルで最も多い理由「性格の不一致」では、慰謝料を請求できません。

性格の不一致の場合は、浮気や暴力とは違い、慰謝料請求の原因が、どちらか片方にあるわけではないからです。

「相手に慰謝料を請求して離婚する」ではなく、「相手に慰謝料を支払ってでも離婚する」となるケースが多くあると、覚えておきましょう。

不貞行為の慰謝料相場|50〜300万円

不貞行為の慰謝料相場|50〜300万円

配偶者やパートナーの不貞行為(浮気や不倫)による慰謝料は、50〜300万円です。

浮気や不倫による慰謝料は、当事者2人が「不貞行為(夫婦の権利であるはずの性行為(肉体関係)を他者と行う行為)」に及んだ場合のみ、請求できます。

夫婦の権利を、第三者に害されたとして、浮気された側の配偶者が、浮気をした当事者2人に慰謝料請求が可能になります。

ただし、トラブルの原因である不貞行為の度合いもさまざまです。大きく分けて、以下の3パターンで慰謝料相場を考えられると、覚えておきましょう。

離婚・別居しない場合 50〜100万円
別居する場合 100〜150万円
離婚する場合 100〜300万円

出典:【39の判例付】浮気の慰謝料相場と損する未来を回避する完全ガイド

不貞行為に対する慰謝料相場は、配偶者やパートナーの不貞行為によって、どの程度の精神的苦痛を被ったのかを客観的に判断したうえで、算定されます。

不貞行為の結果、離婚・別居する場合としない場合では、被害者が結果的に受ける精神的苦痛も、以下のように違うのです。

離婚や別居をしない 生活に大きな変化がなく、大きな精神的苦痛を受けていない
離婚や別居をする 今後大きな生活の変化を強いられるので、大きな精神的苦痛を受ける

離婚・別居の有無だけでも「精神的苦痛の度合い」を想定できるため、慰謝料金額が変動する大きな基準となります。

詳細な不貞行為の慰謝料相場は、実際の裁判の判例と一緒に、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ、ご参考ください。

不貞行為による慰謝料請求が可能なケース

浮気や不倫をしたからといって、必ずしも不貞行為による慰謝料請求ができるわけではありません。

不貞行為による慰謝料請求ができる行為と条件は、以下のとおりです。

不貞行為による慰謝料請求が可能なケース
  • 婚姻・婚約・内縁関係にあるパートナーが、浮気相手と肉体関係を持った
  • 不貞行為が発覚するまでは夫婦関係は破綻していなかった
  • 浮気相手が「相手が既婚者である」と認識したうえで関係を続けていた
  • 不貞行為発覚から3年以内である
  • 不貞行為の確固たる証拠がある

配偶者が、他者と肉体関係や性的な関係を持った場合、法律に基づいた不法行為を行ったとして、相手に慰謝料請求が可能になります。

「他の人とデートをしていた」や「手を繋いでいるところを見かけた」という状況では、不貞行為とみなされず、慰謝料は請求できません。

浮気・不倫をした配偶者や、浮気相手に対して慰謝料を請求する場合は、「不貞行為に及んだ」という明確な事実が、重要なのです。

具体的な不貞行為の判断基準について知りたい方は、「不貞行為とはどこから?|不倫を一瞬で判断するチェックリスト公開」を参考にしてみてくださいね。

不貞行為で慰謝料請求するために必要な証拠

不貞行為を行った相手に対して、より相場に近い金額もしくは相場よりも高い慰謝料を請求するためには、証拠集めが重要です。

不貞行為による慰謝料を請求するために利用できる証拠には、以下のようなものがあります。

不貞行為の証拠
  • 肉体関係にあることがわかる写真や動画
  • 肉体関係にあることがうかがえる会話録音データ
  • 配偶者の行動を記録したGPSデータ
  • 不貞行為を裏付けるLINE・メール・SNS等のメッセージ履歴
  • レシートやクレジットカード明細
  • 浮気を認めている場合は念書や会話録音データ
  • 精神的苦痛を受けたと証明する診断書や病院の領収書

肉体関係にあることが明確にわかる証拠だけではなく、どれほどの精神的苦痛を受けたのかを証明できる証拠があると、相場よりも高い慰謝料を請求できる可能性があります。

反対に、不貞行為を裏付けられる証拠がない場合は、慰謝料請求をしても相場を下回る・請求できない可能性もあるので注意が必要です。

貞行為については、下記の記事で、より具体的に詳しく解説しています。ぜひ、ご参考ください。

配偶者義務を果たさない「悪意の遺棄」の慰謝料相場|50〜300万円

配偶者義務を果たさない「悪意の遺棄」の慰謝料相場|50〜300万円

出典:悪意の遺棄をした側・された側からの離婚の可否と慰謝料請求

夫婦間による義務違反は「悪意の遺棄」と呼ばれており、民法第752条で定められている夫婦間の同居の義務・協力義務・扶助の義務に違反した場合を指します。

悪意の遺棄に対する慰謝料の相場は、50〜300万円です。

冒頭で解説した統計データでもわかるように、不貞行為に次いで多い婚姻関係のトラブルが、悪意の遺棄です。

悪意の遺棄に対する慰謝料は、どの程度の義務違反をしたのかを個別の事情に応じて算定しており、多くの場合は100万円ほどに落ち着く傾向があります。

義務違反にあたる行為をしていた期間が長い場合や、悪意の遺棄以外にも不貞行為などの行為が認められた場合は、慰謝料の金額が高額になる可能性もあります。

悪意の遺棄による慰謝料請求が可能なケース

悪意の遺棄で慰謝料を請求するためには、法律で定められている夫婦間の義務に違反したと、判断できなければなりません。

同居、協力及び扶助の義務

民法752条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない

この夫婦間の義務に違反した場合は、夫婦のいずれか片方が、意図的に夫婦関係を破綻させようとしていると判断できるのです。

以下の行為にあたる場合は、悪意の遺棄として認められます。

悪意の遺棄で慰謝料請求が可能なケース
  • 正当な理由なく勝手に別居する
  • 正当な理由なく配偶者を家から追い出す
  • 自宅に戻らず浮気相手の家で生活している
  • 家出を繰り返している
  • 専業主婦に生活費を渡さない
  • 健康であるのに働かない
  • ギャンブル依存症やアルコール依存症で働かない・生活費を渡さない

たとえ夫婦間での義務を果たせない場合でも、本人に夫婦関係を破綻させようとする意思がない場合は、慰謝料請求自体ができません。

あくまでも、本人が意図的に夫婦関係を破綻させようとしている場合のみ、悪意の遺棄に該当すると、覚えておきましょう。

悪意の遺棄で慰謝料請求するために必要な証拠

悪意の遺棄で慰謝料請求をする場合、義務違反行為が続いていた「時系列」を証明できる証拠が、重要です。

悪意の遺棄の証拠には、主に以下のようなものがあります。

悪意の遺棄の証拠
  • ある日を境に生活費が振り込まれなくなったとわかる通帳・家計簿
  • すでに別居しているとわかる住民票・賃貸借契約書
  • 一方的に別居した経緯がわかるメッセージ履歴・録音データ
  • 夫婦関係の修復を求めたが拒否されたとわかるメッセージ履歴・録音データ
  • 浪費や借金をしたとわかるカード利用明細やキャッシング明細書
  • 悪意の遺棄の状況や時系列がわかる日記・家計簿

金銭関係の義務違反の場合は、相手の給与明細と通帳・家計簿・明細書などを比較することで、「収入があるにもかかわらず意図的に生活費を渡していない」と、証明ができます。

しかし、異性関係や親族関係のトラブルの場合は、決定的な証拠を用意しておかなければ、請求できる慰謝料が相場よりも安くなってしまう可能性があるのです。

悪意の遺棄による慰謝料請求については、「悪意の遺棄をした側・された側からの離婚の可否と慰謝料請求」で具体的に解説しています。

暴力行為(DV)の慰謝料相場|10〜300万円

暴力行為(DV)の慰謝料相場|10〜300万円

出典:DVを理由に離婚できる?DV離婚のための準備や慰謝料請求、離婚調停について

暴力行為(DV)により肉体的もしくは精神的苦痛に対する慰謝料の相場は、10〜300万円です。

一言にDVといっても、夫婦間の生活の中で起きる暴力行為には、さまざまな形態があります。

DVとして取り扱われるものは、主に以下の2種類です。

  • 身体的な暴力
  • 性的な暴力

これらの暴力は、身体的苦痛を与えるのはもちろんですが、同時に精神的苦痛も与えている場合がほとんどです。

個々のケースにおいて、DVで受けた身体的・精神的苦痛の度合いは違うため、慰謝料相場にも幅があります。

DVによる慰謝料請求が可能なケース

警察沙汰になるような暴力を受けた場合は、客観的にみてもDVを受けていると判断しやすくなります。

しかし、日々の生活の中で暴力を受け続けていると「これが当たり前だ」と感じてしまい、DVを受けている自覚がないまま生活している人も多くいます。

DVは以下のように、殴る・蹴るという行為以外にも当てはまると、覚えておきましょう。

身体的暴力に該当する行為
  • 殴る・蹴る・平手打ち(殴るふりをする行為も含む)
  • 小突く
  • 物を投げつける
  • 包丁を突きつける
  • 髪を引っ張る
  • 引き摺り回す
  • 首を締める
  • 高い場所から突き落とす
  • 怪我をしても病院に行かせない
  • 子どもに対して暴力をふるう
性的暴力に該当する行為
  • 性行為を強要する
  • 見たくないポルノビデオやアダルトサイトの視聴を強要する
  • 中絶を強要する
  • 避妊に協力しない

これらの暴力行為はたとえ夫婦間であっても、傷害や暴行にあたる悪質な行為であることに間違いありません。

配偶者からDVを受けている方の中には、「自分が悪いから、しょうがない」と諦めてしまっている方もいます。

たとえ夫婦の性格や価値観が合わないからといって、あなたに対する暴力が認められるわけではありません。

どのような暴力であっても、受けた身体的・精神的苦痛の度合いに見合った慰謝料を請求できるのです。

DVで慰謝料請求するために必要な証拠

配偶者やパートナーをDVで慰謝料請求する場合は、「DVの事実や回数、期間を提示できる証拠」が必要です。

DVの証拠には、以下のようなものがあります。

DV(暴力行為)の証拠
  • 暴力を受けて生じた傷跡やアザの写真
  • 暴力を受けて病院を診断した場合の診断書(怪我の原因をDVであると医師に伝える)
  • 暴力によって家具や物が破損した瞬間の写真
  • 暴力を受けている場面を撮影した動画や音声データ
  • 暴力を受けていることを具体的に記録した日記やメモ(日時・場所・回数・期間・内容)
  • 友人や家族、相談期間にDVの相談をしたメッセージ履歴
  • DVを警察に相談した記録
  • DVについて相談をした友人や家族の証言

DVの証拠を集めるためには、DVを受けていると自覚した早い段階から、暴力行為を受けていると裏付けられる証拠を残していく必要があります。

怪我がなおってしまってから証拠を集めようとすると、あなたが暴力を受けた事実を証明するのが難しくなってしまいます。

状況が大変な中、あなたの負担になってしまいますが、できるだけ写真や病院での診断書による行為の記録を、集めましょう。

DVを受けた場合の対処法については、「DVを理由に離婚できる?DV離婚のための準備や慰謝料請求、離婚調停について 」で解説しているので参考にしてみてください。

精神的暴力(モラハラ)の慰謝料相場|50〜300万円

精神的暴力(モラハラ)の慰謝料相場|50〜300万円

出典:モラハラで離婚する場合の慰謝料の相場・証拠の集め方

近年、夫婦間のDVの中でも、「相手に対して一方的に精神的暴力をふるうモラハラ(モラルハラスメント)」が増加しています。

モラハラ行為は、身体的苦痛とは違い目に見える形で客観的に判断できない暴力のため、個々の事案によって慰謝料金額は大きく変わります。

一般的には、離婚慰謝料の相場の範囲内に収まる、50〜300万円になる場合がほとんどです。

モラハラを受けている被害者は、自分自身がモラハラで苦痛を感じていると、気付けない場合があります。目に見える暴力ではないため、周囲の人がモラハラに気づいたり、被害者の苦しみを理解できる可能性は低くなってしまうでしょう。

しかし、精神的暴力を受けた事実が証明されると、慰謝料請求が可能になるのです。

モラハラによる慰謝料請求が可能なケース

主に、以下のようなケースで、モラハラの慰謝料請求が認められています。

モラハラによる慰謝料請求が可能なケース
  • 「お前は脳なし」「生きている価値がない」などの人格を否定する暴言
  • 「金も稼げないくせに」などの収入・金銭面での暴言
  • 他の人の前で意図的に怒鳴りつける
  • 外部と交流を取らないように制限する
  • 大切にしているものを壊したり、捨てたりする
  • 大切にしている人や子どもを侮辱する
  • 理由もなく仕事や趣味を強制的に辞めさせる
  • 家庭内で無視し続ける

モラハラは配偶者やパートナーの「言葉の暴力」によって、精神的苦痛を与える行為を指します。

他の人と接しているときは良い関係の夫婦だとしても、自宅では常習的にモラハラ行為を受けているケースもあるのです。

モラハラで慰謝料請求するために必要な証拠

傷跡の写真など、物理的な証拠が用意できないモラハラ(精神的暴力)の慰謝料請求は、客観的にみてモラハラの事実を証明できる証拠が重要です。

主に、以下のような証拠がモラハラの慰謝料請求に必要になります。

モラハラ(精神的暴力)の証拠
  • 相手が発した暴言の録音データ・動画
  • 文章で暴言を吐かれた場合のLINEやメッセージの履歴
  • モラハラ行為を目撃した人の証言
  • 常習的にモラハラを受けているとわかる日記
  • うつ病やPTSDを発症した場合の診断書
  • 精神疾患で病院で治療していることを証明する通院履歴や領収書

上記をみてもわかるように、モラハラ被害者が被害を受けていることを証明するためには、相手が放った暴言を記録していく必要があります。

日常的に、配偶者からどのような暴言を浴びせられているのかを一言一句記録することで、精神的苦痛の度合いを客観的に判断できるのです。

モラハラが原因で離婚する場合の慰謝料請求については、「モラハラで離婚する場合の慰謝料の相場・証拠の集め方」で、具体的に解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

性交渉拒否(セックスレス)の慰謝料相場|0〜100万円

性交渉拒否(セックスレス)の慰謝料相場|0〜100万円

「セックスレスでも慰謝料を請求できるの?」と驚く方もいるかと思います。

ここでいうセックスレスとは、一方的に正当な理由なく、性交渉を拒否した場合です。

慰謝料相場は0〜100万円です。

お互いの同意がない限り、長期間にわたりセックスをしていないという状態は、「婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条)」に該当する可能性がります。

ただし以下のケースに当てはまる場合は、どちらか一方が受けた精神的苦痛の度合いが軽いと判断されてしまうのです。

  • 一方もしくは双方の病気が原因で、性行為ができない
  • セックスレスに悩んでいたけれど、相手に積極的に性行為を求めなかった
  • 頻度は少ないが性行為はしていた(セックスレスの程度が軽い)

このような場合は、慰謝料が安くなる、もしくは慰謝料の請求自体ができない可能性もあります。

精神的苦痛を受けていた事実があると判断できるかどうかが、セックスレスの慰謝料請求の可否を左右すると、覚えておきましょう。

性交渉拒否による慰謝料請求が可能なケース

性交渉拒否で慰謝料を請求できる可能性が高いのは、主に以下のケースに当てはまる場合です。

性交渉拒否による慰謝料請求が可能なケース
  • 結婚後、一度も性行為をしていない
  • 性交渉不能(ED)だと告げずに結婚をして、一度も性行為をしていない
  • 子どもを望んでいるが、協力してくれない
  • 性行為を求めても、理由なく一方的に拒否されている
  • 長期間にわたり夫婦間での性行為をしていない(一年以上)

性行為に対する価値観や感じ方は人それぞれ違います。

たとえば、「一週間に一回は性行為が必要」と感じる人もいれば、「半年に一回の性行為で十分」と感じている人もいるのです。

一方が夫婦の義務として性行為を求めているのにも関わらず、もう一方が行為を拒否しつづけていれば、性交渉拒否が、相手に精神的苦痛を与えてしまいます。

性交渉拒否で慰謝料請求をするために必要な証拠

性交渉拒否で相手に慰謝料を請求するためには、セックスレスである事実を証明するための証拠が必要です。

不貞行為や暴力は「ある」や「された」事実を証明するので、証拠を集めやすいという特徴があります。

しかし、性交渉が「ない」ことを証明するのは、非常に難しいのが現実です。

「ない」ものを主張するのは難しいのですが、以下のような証拠があると有力だとされています。

性交渉拒否で慰謝料請求するために必要な証拠
  • 性交渉拒否されたことがわかる音声録音データ
  • LINEやメッセージで性交渉を持ちかけて、拒否されたことがわかる履歴
  • 性交渉拒否をされた状況を綴った日記
  • セックスレスの期間がわかるスケジュールアプリや日記

どれだけの期間、性交渉を拒否され続けていたのかを証明することで、精神的苦痛の度合いを測れます。

たとえば半年間のセックスレスと、5年間のセックスレスでは、拒否されている側の心が傷つけられる回数や重症度も変わるのです。

セックスレスによる慰謝料請求は、一方が性交渉を拒否したことで、どれほどの精神的苦痛を感じていたのかが基準になると覚えておきましょう。

慰謝料金額の算定要素

慰謝料金額の算定要素

夫婦間での慰謝料請求の相場について理解できてくる同時に、どのケースにおいても個別の状況を適切に判断して、客観的に慰謝料金額を算定する必要があることも理解できたのではないでしょうか。

慰謝料の金額は、主に以下のような要素を考慮したうえで算定されています。

慰謝料金額の算定要素
  • 婚姻期間の長さ
  • 子どもの有無
  • 精神的苦痛を受けていた期間・回数・頻度
  • 精神的苦痛の度合い
  • 精神的苦痛の原因となった不貞行為・悪意の遺棄・暴力・モラハラ・性交渉拒否などの程度
  • 請求する側の経済的自立能力の程度
  • 請求される側の収入や資産などの支払い能力
  • 請求される側の社会的地位

この算定要素を参考にしておくと、請求できる慰謝料の金額が高くなる可能性があるのかをイメージしやすくなります。

婚姻期間や精神的苦痛を受けていた期間が長いほど、慰謝料の金額が高くなる傾向があるので、以下の表を参考にしてみてください。

婚姻期間 婚姻期間が長い
(5年以上〜)
高くなる
婚姻期間が短い
(1年未満)
安くなる
苦痛を受けていた
期間・回数
期間が長い・回数が多い 高くなる
期間が短い・回数が少ない 安くなる
子どもの有無 子どもがいる 高くなる
子どもがいない 安くなる
精神的苦痛の度合い 精神的苦痛が原因で病気を発症した、
後遺症が残る怪我をした
高くなる

あくまでも一般的な慰謝料金額の算定要素ですが、自分自身のケースに置き換えてみましょう。

相場の中でも高額な慰謝料を請求できる・慰謝料を減額できる可能性があるのかどうか、イメージすることができます。

たとえば1年間精神的苦痛を受けていた場合と、10年以上精神的苦痛を受けていた場合では、その苦痛の度合いは大きく違ってくるのです。

もちろん、過去に受けていた精神的苦痛だけではなく、今後生きていくうえで精神的苦痛が与える影響(病気や収入面など)も、慰謝料の金額を決める大切な要素だと覚えておきましょう。

慰謝料請求する側・される側の行動に気をつけよう

慰謝料を請求した側・請求された側のどちらも注意したいのが、感情的になって行動してしまうと、慰謝料が減額・高額になってしまう可能性がある点です。

  • 勝手に相手の職場や家族に会いに行く
  • 「慰謝料を払わないと周りにばらす」と脅してしまう
  • 慰謝料の証拠を集めるために違法な方法を使ってしまう

感情的になると周りが見えなくなり、上記のような行動をとってしまう場合があります。その結果、相手から名誉毀損で訴えられたり、恐喝だと逆に訴えられたりする可能性もあるのです。

それぞれの状況によって変動する慰謝料請求は弁護士に相談すべき

それぞれの状況によって変動する慰謝料請求は弁護士に相談すべき

慰謝料請求は当事者同士で合意できればスムーズに解決可能ですが、高額なお金が動くことなので、慰謝料金額に対して交渉が必要になってきます。

当事者同士の交渉では、お互いが合意できるまで時間がかかってしまうため、早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。

慰謝料請求を弁護士に相談するべき理由には、主に以下のようなものがあります。

弁護士に相談するべき理由
  • 交渉を任せることで精神的苦痛を緩和できる
  • 手続きを円滑かつ有利に進めることができる
  • あなたの状況に適した慰謝料金額を算定して対処できる

慰謝料請求には、どうしても時間と労力が必要になってしまいます。しかし、弁護士に相談することで、効率よく手続きを進めたうえで慰謝料を請求できるのです。

より確実に、あなたが得られるはずの慰謝料を受け取るためにも、法律の専門家である弁護士に相談することも是非検討してみましょう。

交渉を任せることで精神的苦痛を緩和できる

慰謝料の請求や慰謝料金額の交渉は、弁護士が代理人として請け負います。

そのため、当事者同士が顔を合わせて、双方の主張を確認したり、金額についての交渉する必要はありません。

夫婦関係が険悪になってしまっている状況では、当事者同士で話し合いをしようとしても、お互いに感情的になってしまい話が進まなくなってしまいます。

とくに精神的苦痛を受けた側は、話し合いの中で暴言を吐かれたり、辛かった状況について具体的に話をしなければいけない場合も出てくるでしょう。

弁護士が交渉を代理ですすめてくれることで、精神的苦痛を与えた側と顔を合わせずに交渉をすすめられます。当事者同士が顔を合わせずにすむので、あなたの精神的苦痛も緩和できるのです。

手続きを円滑かつ有利に進めることができる

配偶者やパートナーに対して慰謝料を請求しようとすると、さまざまな手続きが発生してきます。

当事者同士の話し合いだけで解決できるケースもありますが、法的な書類作成や訴訟手続きなど、複雑な手続きが必要になるケースも多いのです。

素人では不安な手続きも、弁護士に相談することで円滑に進めることができ、さらに有利に運べる可能性があります。

弁護士だからこそできる慰謝料請求における対応は、主に以下のとおりです。

  • 証拠集めのアドバイス(対策)
  • 相手との交渉(減額交渉)
  • 示談書や公正証書などの作成
  • 訴訟の準備
  • 裁判への出廷

上記のすべてを自分で行おうとすると、専門知識が無いが故に多大なる時間と労力が必要になります。法律の知識が必要になってくるので、素人だけでできることには限界があるのです。

「弁護士費用が勿体無いから」という理由で、素人判断で対処してしまうと

  • 法外な慰謝料を知らずに支払ってしまう
  • 減額交渉に応じたら慰謝料がほとんど取れなかった
  • 慰謝料を支払ったのに後日また別の金銭を請求された

このようなケースに陥ってしまう可能性があります。

慰謝料を請求する側・請求される側のどちらにおいても、慰謝料の手続きを円滑に進めて自分が損しない結果を得るためには、早い段階で弁護士への相談が得策です。

あなたの状況に適した慰謝料金額を請求できる

夫婦間やパートナー間での慰謝料請求は、個別の事情・状況を適切に判断できる知識と経験がなければ、妥当な請求金額を算定できません。

状況に適した慰謝料金額を請求するためには、客観的に状況を判断できる弁護士が必要です。

「測り知れないぐらいの精神的苦痛を味わった!1,000万円の慰謝料を請求する!」と主張しても、その事実を客観的に裏付けられる要素がなければ、慰謝料の請求は認められません。

そのため、請求された側は慰謝料を支払う必要がなく、請求した側は本来受け取れたはずの金銭を失ってしまうのです。

慰謝料を請求する側・請求された側のどちらの場合でも、個別のケースごとに違う慰謝料請求金額を把握しておく必要があるのです。

  • 客観的にみた精神的苦痛の程度
  • 高額請求・減額交渉できる可能性
  • 交渉したうえで妥協できる最低目標金額

適正な慰謝料を請求するためには、上記の要素をしっかりと把握したうえで、請求する慰謝料金額を決める必要があります。

素人感覚では判断が難しい要素も、法律のプロである弁護士であれば適切な金額を導き出せるのです。

経験豊富な弁護士があなたの慰謝料トラブルをサポートします

不倫の慰謝料の法律相談(お問い合わせ)

夫婦間もしくはパートナー間で慰謝料を請求する場合、まずは個別の状況とあなたが抱えている不安などを整理したうえで、どのような対処法を選ぶべきか決めなければいけません。

私たち弁護士法人東京スタートアップ法律事務所では、ご相談者様の状況や悩み、そして希望をしっかりとヒアリングすることに重きをおいています。

  • 可能な限り高額な慰謝料を請求したい
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慰謝料請求に関する悩みは、人それぞれです。慰謝料を請求した後の、あなたの今後を見据えたうえで、適切な慰謝料金額を請求できるようサポートさせていただきます。

初回の無料相談で、個々の状況に合わせた見通しをお伝えしていますので、お気軽にお問合せしてみてください。

 

電話受付平日 8:30〜20:00/土日祝 9:00〜19:00弁護士への相談予約(通話無料)0120-615-022(通話無料)

まとめ

今回は、主に婚姻関係にある2人の間で慰謝料請求する場合の、慰謝料の相場について解説してきました。

婚姻関係での慰謝料請求は、主に以下の5つの原因によって相場が違います。

異性関係(不貞行為) 離婚も別居も
しない場合
50〜100万円
別居する場合 100〜150万円
離婚する場合 100〜300万円
配偶者義務を果たさない
(悪意の遺棄)
50〜300万円
暴力(DV) 10〜300万円
精神的虐待(モラハラ) 50〜300万円
性交渉拒否(セックスレス) 0〜100万円

慰謝料の相場には幅があり、個別の状況によって金額が請求できる慰謝料額が増減します。

あなた自身の状況を適切に判断したうえで、あなたが損をしない適切な慰謝料を請求できるようにしましょう。

より確実に慰謝料を受け取るために、早い段階から弁護士に相談したいという方は、慰謝料請求に精通している弊所、弁護士法人東京スタートアップにご相談ください。

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中川 浩秀
執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
得意分野
ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社
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