慰謝料請求における公正証書とは?作成方法や必要書類注意点を解説!

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記事目次
慰謝料を請求するときは公正証書を作成すべき、とよく言われますが、公正証書を日常的に見かける方は珍しく、その存在自体を知らない方もいます。
ではなぜ慰謝料請求をするときは公正証書を作成すべきと言われるのか、その理由や作成方法について解説していきます。
公正証書とは何?
そもそも、公正証書とは、元裁判官などの公証人が作成する書面になります。
公証人が作成する公正証書は、一般人が作成する私文書とは異なり、公文書の一種とされていますので、信用性が高いものになります。
そのため、公正証書には強い法的効力が認められています。
さらに、「強制執行認諾文言」を公正証書に記載することで、債務者が債務を履行しない場合には直ちに強制執行が可能となる効果を発生することができます。
また、保管の観点からしても、公正証書の原本は公証役場で保管されるため、紛失・偽造などのリスクはほとんどありません。
慰謝料請求で公正証書が必要なケース
上記のように、公正証書には強烈な効果がある一方、作成費用等もかかるため、公正証書にせずに事件が終結となるケースは多いです。
では、どのようなケースで公正証書を作成すべきかをご紹介します。
慰謝料が分割払いとなるケース
もっとも考えられるのは、相手方による慰謝料が分割払いとなるケースです。
分割払いとなる場合は、いつか慰謝料の分割払いがストップされてしまい、再度請求しなければならないというケースがあります。
公正証書に強制執行認諾文言があれば、再度請求をせずとも、強制執行をすることができますので、公正証書を作成すべきといえるでしょう。
支払時期が先になるケース
支払時期が先になるケースでは、その期限が到来しても慰謝料支払われないということがあります。
そのような場面に備えるために公正証書を作成することは有意義となります。
また、そうならないために公正証書を作成し、しっかりと債務を明確にしておくことが大切になります。
金額が多額なケース
やはり金額が大きい場合も、相手方によってしっかりと支払われるのかというリスクがあります。
相手方からしっかりと慰謝料を受け取れるようにするため、債務を明確にし、いざとなったら強制執行できるようにしておくことが望ましいといえます。
相手方の資力に問題があるケース
こちらのケースでも相手方によって慰謝料が本当に支払われるのかというリスクが残ります。
そのため、上記のケースと同様に債務を明確にし、慰謝料が支払われなかった場合に備えておく必要がありますので、公正証書を作成すべきといえます。
公正証書で慰謝料請求するメリット
ここまで、公正証書の性質等について解説しましたが、次に、公正証書を用いることのメリットについて改めて解説します。
強制執行できる法的な効力
上述したとおり、公正証書に「強制執行認諾文言」を入れることによって、いざ慰謝料が約束通りに支払われなかった場合に直ちに強制執行に移行することが可能となります。
つまり、裁判等によってあらためて合意書の存在等を主張する必要はなくなり、強制執行の手続きをすることができます。
一方で、公正証書に「強制執行認諾文言」を入れなかった場合は、その公正証書だけでは強制執行できないため、注意が必要です。
心理的プレッシャーによる支払い促進効果
また、上記のように強制執行認諾文言を入れることで、債務者としても強制執行をされたくないから慰謝料を支払おうと考えるという意味で、心理的プレッシャーを与えることができます。
これは事実上のメリットにはなりますが、強制執行となれば誰かに知られてしまうことになるかもしれないので、債務者にとっては大きなプレッシャーになるでしょう。
公文書のため証拠として強い
公正証書を作成する際は、当事者本人又は代理人が公証役場に出向く必要があります。
そのため、公証役場においては本人確認がなされますので、公正証書が勝手に作成されていた、などという反論は考えられません。
さらに、公証人という専門家かつ第三者が間に入っておりますので、公正証書の内容に問題があるというリスクも低く、証拠として極めて高い価値があります。
慰謝料請求の公正証書に必要な書類
公証役場では、その場で合意の内容を決めるのではなく、あくまで当事者間に形成された合意を公正証書にまとめるということになります。
そのため、当事者間に合意があることを示すための示談書があることが望ましいといえます。
また、上述した通り、本人確認をする必要性があることから、当事者の印鑑証明書及び実印、もしくは当事者の身分証明書と認印が必要になります。
身分証明書は免許証やマイナンバーカードなど限定されていますので、事前に公証役場に確認しておいてほうがよいでしょう。
慰謝料請求の公正証書を作る手順
慰謝料についての公正証書を作成する際の手順は以下の通りです。
公正証書を作成することについての合意
慰謝料がいくらという合意以外に、公正証書を作成することの合意も必要です。
公正証書を作成することは任意ですので、相手方の合意が必要であることも覚えておきましょう。
示談書において公正証書を作成することの合意もあることを明記しておくとよいでしょう。
公証役場への申し込み
次に、公証役場へ公正証書の作成を申し込みましょう。
特に決まった管轄はないため、全国で当事者にとって都合の良い公証役場を決めてから申し込むとスムーズです。
公証人への合意内容の共有
公正証書の内容となる示談書の内容を公証人に伝えます。
その際、合意済みの示談書等を示すこととなります。
必要書類の準備
上記で述べた必要書類を準備します。
相手方の準備も必要になるため、事前に相手方に対して必要書類を準備してもらうように伝えておくべきです。
当日の出席
公正証書を作成する日には相手方もしくは相手方の代理人にも出席してもらう必要があります。
本人確認後、公証人が作成した書面を確認し、当事者が署名押印をし、最後に公証人の署名押印があれば公正証書の完成となります。
正本や謄本の受け取り
公正証書の原本については公証役場が保管します。
そのため、当事者には、「正本」や「謄本」という原本の写しが交付されますので、当事者それぞれでそれらを保管することになります。
慰謝料請求で公正証書を作る際の注意点
ここまで、公正証書のメリット等について説明してきましたが、いくつかの注意点もありますので、以下で触れておきます。
1.公証人は一方の味方をするわけではない
公証人は一方当事者の代理人ではありません。
そのため、どちらかにとって不利となる内容でも、基本的にそのまま公正証書に残すことになります。
不利な公正証書が出来上がらないように弁護士に相談しておくことが望ましいです。
2.慰謝料金額に応じて公正証書作成費用が発生する
公正証書は無料で作成できるものではありません。
一定の効果を発生させることができる代わりに、慰謝料の金額に応じた以下の作成手数料が発生します。
手数料の負担をしたくない場合は、示談書等に費用負担は相手となるように記載しておきましょう。
目的物の価額(慰謝料の金額) | 作成手数料 |
---|---|
100万円以下 | 5,000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 1万1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 1万7,000円 |
公正証書による慰謝料請求の費用相場
公正証書を作成する費用として1万円前後が発生しますが、公正証書を作成するからといって獲得できる慰謝料が増額されたり減額されたりすることはありません。
そのため、慰謝料の相場を見極め、しっかりと相手方から慰謝料請求するべきだといえます。
まとめ
以上、公正証書には債権者にとって有利な効果があるため、その作成についてもし不安があるのであれば弁護士に相談をして、しっかりとその効果が発揮されるようにしましょう。
- 得意分野
- 契約法務 、 人事・労務問題 、 紛争解決 、 債権回収 、 不貞慰謝料 、 離婚 、 刑事事件 、 遺産相続 、 交通事故
- プロフィール
- 東京都出身
青山学院大学法学部 卒業
都立大学法科大学院 修了