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最後までしてない場合は不貞行為にならない?慰謝料を請求された場合の対処法を解説

投稿日: 更新日: 弁護士 原 央呂子
最後までしてない場合は不貞行為にならない?慰謝料を請求された場合の対処法を解説
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最後までしてない場合は不貞行為ではない?

不貞行為とは、具体的になにをもって認定されるのでしょうか。

キスやハグでも不貞行為なのか、それともセックスをすることが必要なのか、ホテルに行っただけであればどうなのか。

本記事では不貞行為が認定される場合について解説します。

キスやハグだけの場合

過去の裁判例をみると、東京地方裁判所平成28年12月28日判決は、行為がキスやハグのみに留まる場合には、不貞行為に当たらないと判断して不貞行為を理由とした慰謝料請求が否定しています。

この事案は、妻帯者である男性が、出会い系サイトで知り合った女性と飲食をともにし、その後帰り際に路上で抱き合ってキスを2回したというものです。

そもそも、不貞行為に基づく損害賠償請求が認められる根拠は、当該不貞行為によって他方配偶者(不貞をされた側の配偶者)の婚姻生活の平穏が害され、そのことによる精神的苦痛を慰謝するための慰謝料が認定されるためなのですが、上記事案で裁判所は二人の間に性交渉があったとは認められず、キス行為が婚姻生活の平穏を害するものではないと判断しました。

ペッティングがあった場合

他方で、ペッティング(挿入を除いた性行為)であった場合には、不貞行為に該当して、慰謝料支払義務が認定される可能性があります。

そもそも、不貞行為の典型例は挿入を伴う性行為がある場合といえますが、不貞行為に関する問題の本質は、他方配偶者の法的保護に値する利益(すなわち、婚姻関係の平穏を維持する権利)が侵害されているかという点にあります。

そうすると、挿入を伴う性行為のみを不貞行為とあつかうのではなく、ペッティングなどの性交類似行為によっても配偶者の貞操権などの法的に保護された権利・利益を侵害する場合には、不貞慰謝料支払義務が発生することになります(宇都宮地方裁判所真岡支部令和元年9月18日判決参照)。

最後までしてない場合でも不貞行為が推認されるケースに注意

ここで、最後までしていない、性行為に及んでいない場合であっても不貞行為が認定され得るケースの有無について検討します。

注意が必要なのか、以下のような場合、実際に性行為が存在せず、または最後までしていなくとも、肉体関係にあったのではないかと推認されて不貞行為が認定されてしまう可能性があります。

  • 公共の場所で手をつなぐ、キスをする、ハグをするなどした場合
  • LINEやメール・電話で交際関係、情交関係にあることが推認されるやりとりをしている場合
  • 2人きりで、宿泊を伴う外出をした場合
  • 相当期間にわたって、複数回2人きりで会う機会があった場合
  • 肉体関係を連想させるような会話を行っている場合 など

繰り返しになりますが、不貞行為の典型は性行為そのものです。

ですが、性行為は通常、第三者の目の届かない密室で行われるものなので、滞在場所の性質や滞在時間の長短、前後の当事者間における具体的なやり取りに関する資料等、客観的な証拠に基づいて、その有無が推認されることが多くあります。

そうすると、実際には性的な関係を有していなかったとしても、上記に列挙したような状況が客観的に存在していることが証拠をもって証明された場合には、不貞行為があったものと認定されて慰謝料支払義務が発生する可能性があります。

不貞行為が認められない場合は慰謝料を支払わなくてもいい?

性的関係があったとまではいえなくとも、その状況やそれまでの経緯に照らして金銭支払義務を負う場合があります。

たとえばですが、不貞関係にあるものとして相手に誤解を与えたことに対する迷惑料として金銭を支払う場合は珍しくありません。

また、不貞行為そのものにはあたらなくとも、相手方のなんらかの権利・法律上の利益を侵害している場合には、不法行為に基づく損害賠償責任を負い、相手方に対して金銭を支払う義務を負います。

一例として、過去に配偶者以外の人との間で親密な関係が存在することが判明していた一方配偶者が、他方配偶者に対して二度と同じことを繰り返さないことを約束していたにもかかわらず、再度同様の交際を繰り返したような場合には、配偶者の権利・利益を侵害する不法行為であると判断されて慰謝料支払義務を負うと判断される可能性があります。

下着姿で抱き合ったことが不法行為にあたるとされた例(東京地方裁判所平成25年5月14日)

自宅マンションにおいて、一方配偶者が他方配偶者以外の異性と下着姿で抱き合うも、糖尿病により性的不能であったことから性行為には至らなかったという事案では、慰謝料150万円の支払義務が認定されています。

たしかに、性行為そのものは存在しませんが、当時、他方配偶者は旅行で自宅を不在であり、当時の二人の間のメールのやり取りの内容、また一方配偶者は当該異性の自宅の合い鍵を受け取り、出入りしていた事実等に照らすと、「原告(注:他方配偶者)の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する」と判断されたのです。

積極的に別居・離婚を要求したことが不法行為にあたるとされた例(東京地方裁判所平成20年12月5日判決)

ある女性が、妻帯者である男性との間で、結婚を前提とした交際を行った上で男性に対し、妻との別居や離婚を要求し、キスをしたという事案では慰謝料としては250万円の支払義務が認定されています。

その理由として、裁判所は当該女性が、夫婦の間の「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)の発生に加担したといえるものといえ、女性の行為が男性の妻に対する不法行為を構成すると判断したのです。

本事案では、性的関係それ自体が存在したとまでは認められませんでしたが、それでも女性の側が積極的であったと認定し、上記慰謝料が認められました。

最後までしてないのに不貞行為の慰謝料を請求をされた場合の対処法

最後までしていないのに不貞行為等を原因とする慰謝料請求された場合、まずは弁護士に相談するようにしましょう。

すでに述べたとおり、性交渉そのものが存在しなくとも慰謝料支払義務が認定されるケースは存在します。

そして、その条件、金額等は当時の具体的な状況に照らして個別に判断されることになります。

ご自分のケースにおいて慰謝料を支払う必要があるのかについては弁護士といった専門家に相談することが必要です。

また、弁護士を入れずに、当事者のみでやり取りをする場合もありますが、必要以上に感情的になり、かつ、冷静に話し合いができずに紛争が紛糾することがあります。

当事者だけの話し合いの場で不注意な発言等がありますと、不貞行為を推認させる証拠等として使われる可能性も否定できません。

このように、法的な知識がない状態で自ら対応しようとすると、相手に有利な証拠を握られてしまう事ことにもなりかねません。

最後までしていない、性行為に対応する行為が存在しない状態で慰謝料請求された場合、自ら判断せずに、弁護士に対応を依頼することでスムーズにトラブルが解決できる可能性が高まります。

不貞行為に関するQ&A

どこまでが不貞行為ですか

肉体関係、性行為そのものに加え、性交類似行為も不貞行為にあたります。

また、実際に性行為が存在しなかったとしても当時の具体的な状況等に照らして不貞行為が推認され、慰謝料支払義務を負う場合も存在します。

詳しくは本記事でも解決しておりますのでそちらをご覧ください。

不貞行為に基づく慰謝料を請求するための証拠にはどのようなものがありますか

肉体関係の存在を証明するための証拠が必要です。

また、証拠にも強弱がありますので、注意が必要です。

典型例としては、探偵の報告書によって、ラブホテルへの出入りがわかるもの、またはラブホテルの利用のわかるクレジット明細、旅行にかかる領収書、ホテルの予約履歴、旅行にでかけた際の写真、二人の間のラインやメールのやりとりで肉体関係の存在を推認させるもの、といったものがあります。

自分の配偶者に知られずに、不貞相手だけを訴えることはできますか

誰に対して慰謝料を請求するかは、請求する側が自由に決めることができますので、結論からすると可能です。

ですが、不貞行為に基づく損害賠償責任は、法的には不貞相手のみならず不貞行為に応じた配偶者の二人の共同責任となり、慰謝料についても二人の間で求償関係が発生します。

この点をどう処理するかは法的な問題が絡みますので弁護士に相談されることをお勧めします。

不貞慰謝料を請求する裁判を起こしたいのですが、メリット・デメリットを教えてください。

こちらも紙面の関係で詳細は割愛しますが、メリットとしては他の事件との比較における相場の判断がなされるため、平等的解決を図ることができる点があげられます。

他方でデメリットとしては、時間や費用の問題等が考えられます。

具体的にどういったケースでいくらくらいの慰謝料が認められることになるのかについては、個別判断となりますので弁護士に相談してみてください。

まとめ

このように、性行為を伴わない、もしくは最後までしていないケースでも、慰謝料支払義務が認められるものが存在します。

本記事では典型例等を過去の裁判例を交えて解説してきましたが、ケースは個別的な事情によってさまざまですし、慰謝料が認められる場合のその金額についても一様には決まりません。

本記事で取り上げた場面に遭遇してしまった場合にはご自身で判断せず、専門家である弁護士に相談して、早期問題の解決を目指すことをお勧めします。

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原 央呂子
執筆者 弁護士原 央呂子 東京弁護士会 登録番号58899
「こんなことを弁護士に相談してもよいのかな」、と迷われる方もいらっしゃるかもしれませんが、病院への受診と同じく、法律問題も早期にご相談いただくことでよりスムーズに解決することもあると考えております。 また、「女性弁護士のほうが話を聞いてもらいやすいな」と考えていらっしゃる方がおられましたら、ぜひお気軽にお話いただければと思います。
得意分野
債務整理、刑事事件、国際事件
プロフィール
京都府出身

英ブラッドフォード大学 卒業

上智大学法科大学院 修了
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