不倫裁判の費用とは?内訳や相場を徹底解説

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たとえばあなたの結婚相手(夫・妻)の不倫や浮気(不貞)に気づいた時、そんな結婚相手やその浮気相手に対する、慰謝料の請求を考えることは当然の心理かと思います。
そんなとき「じゃあ慰謝料とるための裁判をするためにはどんな費用が必要なんだろう」「その費用ってどれくらいかかるんだろう」といった疑問が湧くかと思います。その不倫裁判の費用について見通しが立たないと、これからの不倫裁判のための費用の準備だけでなく心の準備もできないものかと思います。
そこで今回は、この不倫裁判の費用について、その内訳や相場にも触れながらいっしょに見ていくことにしましょう。
不倫裁判の費用とは?
それではさっそく、不倫(不貞)の裁判にかかる費用について、各項目に分けて、一つずつ見ていきましょう。
1. 郵便に関係する費用(予納郵券など)
まずは郵便に関係する費用として、「裁判所に向けて書類を送るための郵送料金」が必要になります。
そしてこの郵送料金とは別に「予納郵券」が必要となります。あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、これは裁判を起こす側が裁判所に事前に納める郵便切手(郵券)のことで、裁判所に提出する訴状や裁判の判決などの裁判に関係する書類を、裁判所からそれぞれの当事者に向けて発送する際に使われるものになります。
民事裁判を起こすときに必要となるものですが、使わなかった分の予納郵券は裁判が終わった後で裁判所から返還されます。
この予納郵券の金額は同じ不倫裁判だとしてもその裁判を起こす裁判所ごとに異なりますが、おおよそ6000円前後です。
ただ、裁判の当事者が増えるごとにこの金額も増えることになりますし、裁判の種類や内容でも変わる場合があるので注意しましょう。
もし予納郵券が足りない場合には裁判所から連絡が来るので、そのときは足りない分を納めて対応しましょう。
2. 印紙代
次に裁判を起こすために、訴え提起手数料の納付が法律上求められているため、収入印紙も必要となります(民事訴訟費用等に関する法律第3条)。
この印紙は訴状1枚目に貼付する必要があるため、「貼用印紙」といわれることもあります。この印紙代は、裁判(訴訟)の目的の価額である「訴額」によって変わるものです。
例えば不倫裁判の中で合わせて300万円の支払いを求める場合には、訴額がその300万円となり、それに伴って印紙代も決まり、この場合は印紙代として2万円分が必要となります。
この印紙代は事案の性質によって金額も変わりますし、不倫裁判だけでもその裁判の中で支払いを求める金額の合計によっても変わってくるものになります。
この印紙は、裁判所の事件係受付で消印をするため、提出するまで自分で消印してしまわないように注意しましょう。
3. 弁護士費用
そして裁判を起こすために、弁護士に依頼した場合には、これまで見てきた費用のほかに、弁護士費用が追加で必要となります。
自分で裁判のために書類を作って証拠もまとめて、郵券や印紙代などを計算し準備を進める方ももちろんいます。
しかし、面倒な費用の計算や書類の提出もまとめて任せられますし、せっかく証拠まで集めたのに相手の責任を追求しきれないまま裁判を終えてしまうことを避けるためにも、やはり専門家である弁護士に依頼すべきかと思います。
弁護士費用はそれぞれの法律事務所ごとでも金額が変わりますので、気になる法律事務所に問い合わせてみて弁護士費用を確認してみると良いでしょう。
不倫裁判にかかる弁護士費用の内訳
では実際に不倫裁判のために弁護士に依頼した場合を想定して、必要となる弁護士費用の大まかな内訳を見ていきましょう。
一概に不倫裁判と言っても、自分が「不倫裁判を起こす側」なのか、「不倫裁判を起こされる側」なのかで立場が変わってきますので、2つの場合に分けて見ていくこととしましょう。
不倫裁判を起こす(請求する)側の場合
⑴まずは不倫裁判のことについて弁護士に相談するため「相談料」が必要となります。
相談料については法律事務所ごとで変わりますが、30分ごとに5000円から1万円ほどかかることが多いようです。
最近は初回の相談であれば無料で相談できるサービスを展開している事務所もありますので一度その事務所で気軽に相談してみると良いでしょう。
⑵次に相談した後、実際に弁護士に案件を依頼するときに発生する「着手金」が必要となります。
基本的にはこの着手金の支払いを受けて弁護士が代理人としての活動を始めることができるようになります。
この着手金も法律事務所ごとに異なりますが、不倫の案件について、まずは交渉から依頼する時は、15万円から20万円ほどかかることが多いようです。
⑶そして不倫の案件について、交渉での解決が難しく、いよいよ裁判を起こす場合には、追加で裁判のための着手金が発生する場合があります。その場合の費用も様々ですが、10万円から20万円ほどかかることが多いようです。
⑷交渉や裁判によって不倫案件について解決することができた場合には、「報酬金」が発生することになります。
報酬金については結果に関わらず固定の金額が発生することもありますし、実際に獲得できた経済的利益(慰謝料など)の16%前後が発生することも多いようです。
不倫裁判を起こされる(請求される)側の場合
⑴不倫のことがバレてしまってこれから不倫裁判を起こされるかもしれない(訴えられるかもしれない)場合や、実際に不倫裁判を起こされている場合には、まずは弁護士に相談しましょう。
この時、相談のため「相談料」が必要となります。相談料については法律事務所ごとで変わりますが、30分ごとに5000円から1万円ほどかかることが多いようです。
最近は初回の相談であれば無料で相談できるサービスを展開している事務所もありますので一度その事務所で気軽に相談してみると良いでしょう。
⑵次に相談した後、不倫のことで請求されている慰謝料の減額のための交渉や裁判対応を弁護士に依頼するときに発生する「着手金」が必要となります。
基本的にはこの着手金の支払いを受けて弁護士が代理人としての活動を始めることができるようになります。
この着手金も法律事務所ごとに異なりますが、不倫の案件について、まずは交渉から依頼する時は、15万円から20万円ほどかかることが多いようです。
⑶そして不倫の案件について、交渉での解決に応じてもらえず、いよいよ裁判を迎える場合には、追加で裁判のための着手金が発生する場合があります。
その場合の費用も様々ですが、10万円から20万円ほどかかることが多いようです。
⑷交渉や裁判によって不倫案件について解決することができた場合には、「報酬金」が発生することになります。
報酬金については結果に関わらず固定の金額が発生することもありますし、実際に獲得できた経済的利益(慰謝料など)の16%前後が発生することも多いようです。
不倫裁判のために準備しておきたいこと
さて、ここまで見てきたように不倫裁判のために色々と費用が必要となります。
せっかくここまで準備をして費用まで負担するのであればこれらを無駄にはしたくありませんよね。
ここからはこの不倫裁判に向けて動き出すために準備しておくと良いことを見ていきます。
1. 身元情報の把握
不倫裁判を起こす場合も、裁判の前に交渉をしてみる場合も、まずは不倫した相手方の身元情報が必要となります。
例えば不倫相手に慰謝料の支払いを求めて交渉を始めてみる場合、内容証明郵便をその相手方に送るのであれば「住所」の情報が必要ですし、電話で迅速にやりとりを進めていくにしても「電話番号」の情報が必要となります。
また不倫裁判を起こす場合でも、相手方の住所を特定できなければ裁判所が裁判書類を発送することができず、裁判を始めたくてもなかなか始めることができない場合もあります。
そのため、不倫裁判をすることを考えたときには、まずは相手の身元情報の把握に努めましょう。
ただ、無断で相手の職場や自宅に押しかけたり、データを抜き取ったりと、無理して自分で情報を全て引き出そうとすると、それまで責任を追及する側であったはずの自分の方が、逆に相手から責任を追求されてしまう危険もあります。
この点、弁護士であれば弁護士会照会といった調査手続を利用して、相手方の別の情報から身元情報までたどって必要な情報を獲得できる可能性もあります。
そのため迷ったときには一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。
2. 証拠の整理
特に不倫裁判を起こす場合、裁判所に提出することを見据えて、不倫についての証拠を揃えておく必要があります。
例えば不倫そのものを立証する証拠としては、不倫の現場を押さえた画像や動画、自分の妻や夫が不倫を認めた音声の録音や自認書などが多いですが、その他にもホテルや飲食店の領収書なども見受けられるところです。
不倫をしていることはわかっていても決定的な証拠に欠けるという場合には、探偵や興信所に依頼して、その調査報告書を証拠として提出することも考えられます。
また自分の妻や夫が不倫しているのが明らかであっても、不倫相手から「実は既婚者だとは知らなかった」というような弁解をされることもあります。
そのような弁解を防ぐためにも、例えば帰りを待つ自分の存在を気にしていることがわかるLINEの履歴などの、不倫相手が既婚者であることを知っていたことを示す証拠も必要です。
これら証拠についてはあくまでも一例であって、不倫裁判の中で慰謝料を獲得するために必要になる証拠は事案によっても異なりますし、自分では見落としていた意外なものが決定的な証拠となることも少なくありません。
必要な証拠を整理して証拠を吟味することについては、やはり専門家である弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
3. 和解の可能性についての検討
もし不倫裁判を起こした場合であっても、全ての裁判の中で「判決」という形で裁判所が最終的な判断を下すわけではありません。
特に裁判の前に一度交渉を挟んでいたものの、折り合いがつかず、やむを得ず裁判に至ったような場合には、そのような過程をみて、裁判所から、判決ではなく「和解」での解決を勧められることもあります。
裁判所からの判決を得られたとしても、自分にとっても相手にとっても、納得できる内容である確証はありません。
そこで「和解」という形で、慰謝料などのお金にまつわる約束の他にも、不倫相手からの連絡や接触を禁止するなどの不倫に関する問題を一つ一つ解決するために必要なその他の取り決めを交わして、不倫問題を根本から解決することもできます。
このような和解での解決を見据えて事前にどのような形で解決することが望ましいか検討してみることもおすすめです。
不倫裁判にかかった弁護士費用は相手に請求できる?
ここまで弁護士費用も踏まえて見てきましたが、ここで気になるのは、弁護士費用は全て自分で負担しないといけないのか、相手に請求できないのかという点ですが、弁護士費用については原則的には自己負担となります。
ただし、一部相手に請求できることもあります。
よくあるケースとしては、不倫裁判の中で慰謝料に加算して、として弁護士費用も不倫により生じた損害として請求するケースです。ただこういった場合であってもこれまでの裁判例の蓄積から、最大でも慰謝料の1割程度までしか認められない点にはご注意ください。
不倫裁判を弁護士に依頼した方がいい理由・メリット
ここまでに不倫裁判を弁護士に依頼すると弁護士費用が発生することを見てきましたが、それを踏まえても、弁護士に依頼する理由やメリットがあります。
この理由やメリットもまとめましたのでこれから見ていきましょう。
1. 裁判の知識や経験が豊富
まずは弁護士であれば裁判の経験が豊富であることが大きい理由となります。裁判をするためには、これまで見てきたように、様々な裁判書類を作成する必要があり、その書類に記載については一定の決まったルールも存在しています。
またこのようなルールだけでなく、それ以外にも弁護士であれば裁判所を説得して目標とする判決を獲得するための文書を書く経験を多く積んでいます。このような知識や経験はやはり弁護士ならではのものです。
不倫裁判においても、そこで必要となる主張や、予想される相手からの反論を踏まえた効果的な証拠の提出等、裁判を有利に進めるにあたって依頼者であるあなたと相談しながら適切に進行することができるでしょう。
2. 交渉や和解の知識や経験も豊富
また、弁護士であれば交渉の場面でも活躍が期待できます。
上で見たように、不倫問題については、当然慰謝料の話も問題の一つとして考えられますが、それ以外にもこれからの生活を考えたときに、裁判ではなく交渉や和解という形で、お金だけではなんともできないことも合わせて少しでも問題を解決できる打開策を、その知識や経験から提案し、依頼者であるあなたと一緒に事案の解決に取り組むことができるでしょう。
3. 疑問を相談できる
さらにこれまで普通に暮らしてきた中で、いきなり不倫問題に直面した方にとっては、慰謝料や裁判など、普段聞き慣れない用語や手続きにここで初めて触れることになるでしょう。
ある程度は本やネットで調べることでなんとか分かることもあるかもしれませんが、一つ疑問を解消した先にまた新たな疑問が生じることもよくあるかと思います。
また、不倫についても自分の持っている情報があるものの、これがどういう形で裁判や交渉に役立つのかまではっきりわからないこともあるかもしれません。
これらのように不倫問題に直面したときに裁判や交渉といった手段を使って問題を解決するにあたっては、常に様々な疑問が生じますが、そのような疑問についても不倫問題の解決に向けて一つ一つ解消していき、依頼者であるあなたにとっても納得できる方向に向かって弁護士もいっしょに問題解決に取り組むことでしょう。
4. 一人で抱え込まずに済む
最後に、不倫問題に直面した方にとって、自分の夫や妻に裏切られた気持ちや、慣れない手続や状況が続くことでの不安な気持ちが絶えないことが予想されます。
また交渉や裁判はどうしても時間がかかってしまう可能性もあり、一人で時間をかけてその様な気持ちと向き合いながら交渉や裁判にも取り組むことは、精神的にかなりの負担がかかるものと思います。
そのような時に、同じ目線に立って問題を共有しながら解決に向けて前向きに取り組む弁護士の存在は、精神的な助けにもなることでしょう。
不倫裁判の費用に関するよくある疑問
ここまで不倫裁判の費用について、よくある疑問についても紹介していきます
1. 必要な費用はここまで見てきたものだけでしょうか?
事案によっては別の費用が必要となるケースもあります。
例えば、不倫が発覚した後、相手と交渉をしていった末に、相手が「慰謝料は払うが分割でないと支払えない」という場合があります。
この場合に、確実に分割払いの約束を守ってもらうために公証役場で公正証書という形で慰謝料に関する合意書を作ることがあります。
そのような場合には公証役場に支払う手数料も必要となります。
その他にも遠方まで弁護士の出張を依頼する場合には日当という形で追加で弁護士費用が発生する場合もあります。
2. 離婚のことも相談しても良いのでしょうか?
不倫が発覚したことで一度は夫婦関係の再構築を目指したとしても、やはり元の夫婦関係に戻れないケースもあります。
その場合には、夫や妻との間で離婚の協議を行ったり、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てたりする必要があります。
このように離婚問題に直面したときも、やはり弁護士の知識や経験が生きる場面です。
このような離婚に関する手続のために、多くの場合には追加で予納郵券や印紙、弁護士費用等が必要にはなりますが、そんなときでも一度弁護士に相談してみて、費用についても追加でどれくらいかかるのか気軽に質問してみると良いでしょう。
3. 慰謝料以外のことも含めて相手に要求するときに追加で費用はかかるのでしょうか?
これまで見てきたように、裁判だけでなく、交渉での解決をすることで慰謝料といったお金の支払いに関する約束だけでなく、今後連絡や接触しないことの約束など、柔軟な形で解決を目指すこともできます。
その場合、同じ当事者・同じ不倫問題の解決という意味では同じ依頼内容に含まれることになりますので、多くの場合には不倫裁判についての依頼の中でまとめて弁護士に解決を依頼することができるでしょう。
これについても弁護士に気軽に「このような形での解決はできないのか」「この場合には費用は追加でかかるのか」という形で確認してみると良いでしょう。
まとめ
ここまで不倫裁判のためにかかる費用の内訳を項目ごとに分けつつ、その解説や相場とあわせていっしょに見てきました。
不倫裁判のために弁護士に依頼する場合には費用もかかりますが、それ以上に弁護士に依頼したほうが良い理由やメリットにも触れてきましたが、これをご覧いただいてもやっぱり依頼すべきかどうか悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
ただそのように悩まれている方こそ、是非とも一度お気軽に法律事務所に問い合わせていただき弁護士に相談していただくことで、弁護士を頼っていただくことのメリットを少しでも実感していただき、気になることや不安もいっしょに解消していただければと思います。
- 得意分野
- 契約法務 、 ITビジネス法務 、 人事・労務問題 、 紛争解決 、 債権回収 、 知的財産 、 不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件 、 交通事故 、 債務整理
- プロフィール
- 宮崎県出身
熊本大学法学部 卒業
神戸大学法科大学院 修了