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不倫・浮気の有効な証拠とは?証拠の例や集める方法一挙紹介

投稿日: 更新日: 弁護士 新妻 俊稀
不倫・浮気の有効な証拠とは?証拠の例や集める方法一挙紹介
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「夫が不倫をしているみたい。有利に離婚するための証拠が欲しい…!」
「不倫中の妻から慰謝料を取りたい。証拠はどうやって見つけたらいい?」

配偶者が不倫をしている場合、離婚を認めてもらったり、高額な慰謝料をもらったりするためには、証拠が欠かせません。

不倫を証明できるのは、肉体関係の証明ができる証拠です。

例えば以下のような証拠があれば、離婚や慰謝料の請求など、あなたの希望を通せる可能性があります。

有効レベル 証拠品リスト
1つでも有効 ①不倫中の画像や映像
②不倫に関する録音データ
③LINEやメールの履歴
④妊娠・堕胎の事実書類や子のDNA鑑定
⑤不貞行為を認める念書や誓約書、動画・録音データ
複数集めると有効 ⑥避妊具や性交渉に使うグッズ
⑦不倫に関するメモや手帳、ノート
⑧不倫相手からの手紙やカード
⑨不倫相手からのプレゼント
⑩不倫相手の私物
⑪不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
⑫通話履歴
⑬インターネットブラウザの検索・閲覧履歴
⑭カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴
⑮GPSの位置情報
⑯交通ICカードの利用履歴
⑰不倫に関するクレジットカードの利用明細
⑱第三者の証言

とはいえ、このような決定的な証拠をつかむのは、簡単なことではありません。

そこでこの記事では、不倫の証拠について、以下のような内容を解説しています。

この記事を読むと分かること
  • 全18個の不倫の証拠品
  • 証拠をつかむための6つの行動
  • 証拠が見つからないときに知っておきたい3つのポイント

この記事を読めば、不倫に有効な証拠品にはどのようなものがあるのか、どうやって証拠を集めればいいのかが分かります。

結果として、有力な不倫の証拠をつかみ、自分が希望する形で、離婚や慰謝料の交渉が進められるでしょう。

何が不倫の証拠として有効なのか、どうやって証拠をつかめばいいのか分からず、先に進めずにいるなら、ぜひこの記事をご一読ください。きっとお役に立つはずです。

慰謝料請求で使える不倫の証拠18個

慰謝料請求で使える不倫の証拠18個

ここでは、不倫を証明するのに有効な証拠品を紹介します。

以下のリストは、全部で18個の証拠品をまとめたものです。

有効レベル 証拠品リスト
1つでも有効 ①不倫中の画像や映像
②不倫に関する録音データ
③LINEやメールの履歴
④妊娠・堕胎の事実書類や子のDNA鑑定
⑤不貞行為を認める念書や誓約書、動画・録音データ
複数集めると有効 ⑥避妊具や性交渉に使うグッズ
⑦不倫に関するメモや手帳、ノート
⑧不倫相手からの手紙やカード
⑨不倫相手からのプレゼント
⑩不倫相手の私物
⑪不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
⑫通話履歴
⑬インターネットブラウザの検索・閲覧履歴
⑭カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴
⑮GPSの位置情報
⑯交通ICカードの利用履歴
⑰不倫に関するクレジットカードの利用明細
⑱第三者の証言

ここからは、この18個の不倫の証拠について、一つずつ解説していきます。

手元にある証拠は不倫の証明に有効なのか、これからどんな証拠を集めればいいのかを確認しましょう。

1つでも有効な不倫の証拠5つ

1つでも有効な不倫の証拠5つ

ここでは1つでもあれば、不倫の証明となりうる、決定的な証拠を紹介します。

1つでも有効になる証拠品の条件は、「不貞行為に及んでいると判断できる」こと、すなわち「明らかに肉体関係があると分かる」ことです。

具体的には、以下のリストに挙げる、5つの証拠品があります。

有効レベル 証拠品リスト
1つでも有効 ①不倫中の画像や映像
②不倫に関する録音データ
③LINEやメールの履歴
④妊娠・堕胎の事実書類や子のDNA鑑定
⑤不貞行為を認める念書や誓約書、動画・録音データ

ここからは5個の証拠について、一つずつ見ていきましょう。

①不倫中の画像や映像

不倫中の画像や映像

1つ目は不倫をしている2人の、画像や映像です。

徹底的な証拠となるのは、「不貞行為中の画像や映像」でしょう。

しかし、不倫関係にある2人が、故意に不貞行為の画像や映像を残したり、さらしたりするとは、あまり考えられません。不倫の事実がバレてしまうリスクがあるからです。

そこで多くの場合、2人が「性交渉に及んでいると推測できる」画像や映像が証拠となります。

具体的には、以下のような証拠品があると、不倫の証明ができるでしょう。

  • 2人が裸体や下着、パジャマ姿などで、同じ部屋にいる写真や動画
  • ラブホテルや、同棲中の部屋などに、2人が出入りしている写真や動画

以下の3点を押さえられれば、これらの写真は、より強力な証拠となります。

  • 不倫関係にある2人の顔がハッキリ分かる
  • 撮影した場所が分かる
  • 撮影した日時が分かる

顔が判別できない場合、証拠として認められない場合もあるので、注意しましょう。

【ここがポイント!】写真や動画の撮影は「入退室両方」と「撮影回数」が重要!

証拠として有効なのは、「入室・退室両方」の写真や動画です。
両方の写真がそろうことで、不倫相手と配偶者が過ごした時間帯や、一緒に過ごしている時間の長さが分かり、証拠としての説得力が増します。
また、別の日時に撮影した写真があると、証拠能力が上がります。複数回の不貞行為が確認されることで、常習性が高いと判断されるためです。
具体的には、半年~1年以上、月に3~5回程度、繰り返し関係を持っていたと証明できれば、より有利です。

②不倫に関する録音データ

不倫に関する録音データ

不倫をしている2人の会話などを録音した、音声データも有力な証拠です。

具体的には、以下のような内容の録音データが有効でしょう。

  • 性交渉の最中や、その前後の音声データ
  • 2人が不貞行為に関する話題を喋っている、録音データ

①不倫中の画像や映像と違い、顔は確認できませんが、声で本人だと確認できます。

また、ボイスレコーダーなどを使えば、画像や動画よりも集めやすい証拠といえるでしょう。

③LINEやメールの履歴

LINEやメールの履歴

LINEやメールのやり取りも、内容次第では証拠となります。

証拠となるのは、不貞行為に及んでいることが分かるか、肉体関係にあると推測できる内容です。

例えば以下のような内容であれば、証拠になるでしょう。

  • 性交渉をするための計画を立てている
  • 性交渉について約束をしている
  • 性交渉の感想を伝えている

さらに、既婚であることや、子どもがいることを知っているような内容も、「不倫をしている」、すなわち「不貞行為をしている」自覚があると分かるため、証拠となる場合があります。

LINEやメールの履歴の証拠をつかむ方法は「4-3.パソコンやスマホの中身を確認する」で紹介します。

【ここがポイント!】LINEやメールの証拠能力は文面で決まる

LINEやメールに証拠能力があるかどうかは、文面で決まります。

例えば「ラブホテルに行っている」というような文面があると、肉体関係があるとハッキリ分かります。以下の【OK例】にあるLINEは、決定的な証拠となります。

【OK例】

LINE・メールの証拠能力文面【OK例】

一方で「激しかったね」などと、肉体関係があるかどうかがあいまいな内容だと、1つで決定的な証拠とするのは難しくなるでしょう。

NG例のような文面の証拠しかない場合、他の証拠と組み合わせる必要があるかもしれません。

【NG例】

LINE・メールの証拠能力文面【NG例】

LINEの場合、トーク画面のアイコンからプロフィールを確認できます。登録内容によっては、相手の本名などが分かるかもしれません。合わせて、スマホの上から撮影しましょう。

【プロフィール画面】

LINEプロフィール画面

④妊娠・堕胎の事実書類や子のDNA鑑定

妊娠・堕胎の事実書類や子のDNA鑑定

不倫に及んだ結果、自身が妊娠したり、不倫相手を妊娠させていた場合、妊娠・堕胎の事実書類が証拠となります。

具体的には以下のような証拠品があります。

  • 母子健康手帳
  • 妊娠中のエコー写真
  • 産婦人科の診療報酬明細書

すでに子どもが生まれている場合には、子どもの血液検査やDNA鑑定の結果も証拠となるでしょう。

⑤不貞行為を認める念書や誓約書、動画・録音データ

不貞行為を認める念書や誓約書、動画・録音データ

配偶者や不倫相手と話し合い、不貞行為を認めさせた念書や誓約書を書かせたり、動画や録音データを取っていた場合にも、証拠となります。

確実な証拠としたいのであれば、以下の内容を含めた念書や誓約書を作成して持参します。

不貞行為を認める念書や誓約書に盛り込むべき項目
  • 不貞行為のあった期間
  • 不貞行為の回数や頻度
  • 不貞行為を行った場所
  • 不貞行為を行った相手の名前、職業、住所
  • 不倫相手の場合、不貞行為を行った相手が既婚者である認知の有無
  • 誓約内容(交際を解消する、会わない、連絡しない)
  • 慰謝料の請求に応じる(金額や期限、振り込み方法を含めるとより良い)

話し合いを録音する場合も、上記の内容を含めると、証拠能力が上がります。

【ここがポイント!】話し合いをするのは、絶対に不倫を認めさせられるときだけ

配偶者や不倫相手に、確実に不倫の事実を認めさせる自信がないなら、話し合いは必要ありません。

なぜなら、相手に不貞行為を認めさせるのは、簡単なことではないからです。相手も不倫を認めれば、離婚や慰謝料を請求されると分かっているので、不利になる行動は取らないでしょう。

相手に不倫を認めさせるためには、「確実に不倫している」という確証があり、認めさせるだけの交渉力が必要です。
相手方が認めないというリスクを承知のうえで、それでも話し合いたいのであれば、「3.複数集めれば有効となる12個の証拠」で紹介するような「決定打とはならない証拠」を持参して、「証拠がある」前提で話をしましょう。
話の流れによっては、相手が墓穴を掘り、勝手に自白するケースも考えられます。その場合に備えて、話し合いはスマホやボイスレコーダーなどで、録画や録音をしておきましょう。

複数集めれば有効となる不倫の証拠13つ

複数集めれば有効となる不倫の証拠13つ

次に紹介するのは、複数集めれば証拠として有効な証拠品です。

「2.1つでも有効な5個の証拠」で挙げた証拠品ほどの力はありませんが、いくつかの証拠をうまく組み合わせることで、不倫の事実を証明できます。

以下のリストに、複数集めることで有効な13個の証拠品をまとめています。

有効レベル 証拠品リスト
複数集めると有効 ⑥避妊具や性交渉に使うグッズ
⑦不倫に関するメモや手帳、ノート
⑧不倫相手からの手紙やカード
⑨不倫相手からのプレゼント
⑩不倫相手の私物
⑪不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
⑫通話履歴
⑬インターネットブラウザの検索・閲覧履歴
⑭カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴
⑮GPSの位置情報
⑯交通ICカードの利用履歴
⑰不倫に関するクレジットカードの利用明細
⑱第三者の証言

ここからは12個の証拠について、一つずつ見ていきましょう。

①避妊具や性交渉に使うグッズ

避妊具や性交渉に使うグッズ

性交渉に使う道具や避妊具です。

セックスレスなのに未使用の避妊具が出てきたり、自分との性交渉で使った覚えのないグッズや衣装を持っていたりする場合、配偶者が不倫相手と肉体関係を持っていると分かります。

  • 避妊具
  • 性交渉で使うグッズや衣装
  • ピル
  • IDU(避妊リング)

IDUは女性の子宮内に装着する器具です。婦人科の受診票などで確認できます。

この証拠単独では、不倫相手の特定はできません。ただし相手が分かっている場合の「不貞行為に及んでいる証拠」として、有効です。

②不倫に関するメモや手帳、ノート

不倫に関するメモや手帳、ノート

不倫をしている事実、あるいは不倫をしていると推測できる内容のメモや、手帳、ノートです。

例えば以下のような内容を記録している場合、証拠となりえます。

  • 肉体関係があると推測できるメモや手帳、ノート
  • 不倫相手が書いた、デートや密会の誘いの付箋やメモ
  • デートや密会を行う、日付や場所を記したメモ
  • デートや密会の、予定や記録を記した手帳やノート

肉体関係を推測させるメモは、具体的に場所や日時が書いてあるほど、かなり強力な証拠となる可能性があります。

デートや密会に関する記録がある場合には、以下のような証拠と合わせると、有効でしょう。

  • 不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
  • カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴
  • 不倫に関するクレジットカードの利用明細

③不倫相手からの手紙やカード

不倫相手からの手紙やカード

不倫相手から受け取ったと思われる、手紙やカード類も証拠となるでしょう。

以下のような内容が書いてある場合には、他の証拠を見つけるヒントともなるかもしれません。

  • 不貞行為について
  • お互いの関係性
  • 出会いのきっかけや馴れ初め
  • 出会った日や不倫の始まった日
  • デートや密会の日

不貞行為について書かれている場合、肉体関係が推測できる内容なら、有力な証拠となります。配偶者の自室のデスクや棚の中、カバンの中などを探してみましょう。

プレゼントについていたカードは、品物の入っていた紙袋に入っている可能性もあります。

「不倫をしている」という自覚があるかどうかや、関係性、相手が誰なのか、不倫の始まった時期や期間が分かる場合にも、証拠として有効です。

デートや密会に関する記録がある場合には、以下のような証拠と合わせると、有効でしょう。

  • 不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
  • カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴
  • 不倫に関するクレジットカードの利用明細

④不倫相手からのプレゼント

 

不倫相手からのプレゼント

不倫相手からもらったと思われるプレゼントが、証拠となる場合もあります。

以下に挙げるような、知人や友人同士で送り合うことの少ないような品物は、不倫相手にもらったと考えるのが自然でしょう。

  • 高級ブランドの衣類
  • 財布やカバン
  • 高価な時計やアクセサリー

おそろいの財布やペアリングを持っていることもあります。もしお互いの名前の刺繍や刻印があれば、相手の名前を知るきっかけになるかもしれません。

ただ、プレゼントだけでは証拠として弱いので、他に複数の証拠が必要となるでしょう。

⑤不倫相手の私物

不倫相手の私物

自宅や車の中で、不倫相手の私物を見つけた場合にも、不倫の証拠となります。

例えば以下のようなものが残されていた場合、不倫相手の私物である可能性があります。

  • 時計やアクセサリー
  • 化粧品
  • 歯ブラシ、コンタクトケース
  • 異性ものの衣類(下着など)

不倫相手がうっかり忘れてしまったというケースもありますが、わざと、配偶者の妻や夫に「匂わせ」をするつもりで残してくるケースもあるようです。

自宅や車に落とし物をするということは、配偶者とそれなりに近しい間柄だと分かります。特に自分の知らない間に自宅に上がっている場合、肉体関係の可能性が上がります。

他の証拠と組み合わせることで、有効な証拠となるかもしれません。

⑥不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券

不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券

不倫をしていることが分かるレシートや領収書、ポイントカードやサービス券が証拠となるときもあります。具体的には以下のような証拠品が考えられます。

  • ラブホテルのレシートやポイントカード、サービス券、ライター
  • ホテルや旅館のレシートや領収書
  • 避妊具や精力剤、異性ものの衣類などのレシートや領収書
  • ゆかりのない土地のコンビニやガソリンスタンドのレシートや領収書
  • 遊園地や水族館、映画館のチケット

レシートや領収書、ポイントカードには使った日付が記載されることも多いので、不貞行為を行うパターンを導き出しやすくなります。

同じラブホテルを何度も使っている場合には、「①不倫中の画像や映像」のような決定的な証拠をつかむヒントとなるでしょう。

⑦通話履歴

通話履歴

スマホに残っている通話履歴が、証拠になる場合もあります。

特に以下の条件が満たせている場合、その通話相手は不倫相手の可能性が高いでしょう。

  • 30分以上の長電話をしている
  • 頻繁に電話をしている
  • 同じ番号から複数回の着信履歴がある
  • 決まった時間帯(昼休みや深夜など)に電話している

不倫相手の電話番号さえ分かっていれば、弁護士による住所や名前の調査が可能です。

⑧インターネットブラウザの検索・閲覧履歴

インターネットブラウザの検索・閲覧履歴

スマホやパソコンの、インターネットの閲覧や、検索履歴が証拠となることもあります。

例えば以下のようなページを検索・閲覧している場合、不倫をしている可能性が高いと判断できます。

  • 浮気の隠し方
  • 不倫がバレない方法
  • 婚外恋愛

さらに以下のような内容の履歴があれば、デートの場所や旅行の計画なども分かります。

  • デート場所(飲食店やテーマパーク、映画館、カラオケなど)
  • ラブホテル
  • お泊り旅行の宿泊先
  • 異性へのプレゼント

これらの情報は、「①不倫中の画像や映像」のような決定的な証拠をつかむヒントとなります。

以下のような証拠と組み合わせれば、証拠能力を上げることも可能でしょう。

  • 不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
  • カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴
  • 不倫に関するクレジットカードの利用明細

⑨カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴

カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴

主な移動手段が自家用車の場合、カーナビやドライブレコーダー、ETCの履歴が不倫の証拠になります。

具体的には、それぞれの記録機器に以下のような記録が残っている場合があります。

記録機器 残っている可能性のある証拠
カーナビ 検索履歴・地点登録・走行履歴
ドライブレコーダー 車内外の録画・録音・車両位置(GPS機能)
ETC 高速道路の利用履歴

カーナビやETCの履歴からは、不倫相手の自宅や、行きつけのラブホテル、旅行先が分かります。行動パターンが把握できれば「①不倫中の画像や映像」のような決定的な証拠がつかめるかもしれません。

車内の録画や録音ができるタイプのドライブレコーダーの場合、「①不倫中の画像や映像」や「②不倫に関する録音データ」のような有力な証拠となる可能性もあります。

GPS機能付きであれば、リアルタイムで位置情報が分かるため、不倫現場を突き止めることも可能です。

ただし、機器の種類や機能によって、残せるデータは違います。設置している機器は、全て確認するようにしましょう。

⑩GPSの位置情報

GPSの位置情報

GPSの位置情報も、他の証拠との組み合わせで有効になる場合があります。

記録型のGPSであれば、滞在時間も分かるため、いつ、どこに、どのくらいの時間滞在したかの証明ができるからです。

例えばGPSで、以下のような情報が得られた場合、有効とできる可能性があります。

  • 行きつけのラブホテルの場所
  • 不倫相手の自宅の場所
  • デートの足取りや行動パターン

これらの情報は、「①不倫中の画像や映像」のような決定的な証拠をつかむヒントとなるでしょう。

さらに以下のような証拠と組み合わせれば、証拠能力を上げられます。

  • 不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
  • 不倫に関するクレジットカードの利用明細

ただし、GPS機器の性能や、利用する環境や時刻によって、位置情報に数m~数十mの誤差が生じることもあります。証拠として使うというよりも、他の証拠の裏付けとして使う方が、現実的でしょう。

⑪交通ICカードの利用履歴

交通ICカードの利用履歴

交通手段として、電車やバスなどの公共交通機関をよく使う場合には、PASMOやSuicaといった交通ICカードの履歴が証拠となります。

交通ICカードの利用履歴からは、以下のようなことが分かります。

  • 不倫相手の自宅や職場の最寄り駅
  • 行きつけのホテル
  • デートの場所

自宅や職場以外で何度も使っている駅や停留所がある場合、「①不倫中の画像や映像」のような決定的な証拠をつかむヒントとなるかもしれません。

交通ICカードの利用履歴は、券売機やアプリで確認できます。確認できる利用履歴の期間や件数には限りがあるため、定期的に確認し、券売機の場合は印刷し、アプリの場合は他のカメラで画面の写真を撮って保存しておきましょう。

  • Caution!PASMOとSuicaの利用履歴は、26週間(約半年)以内のもの、また26週間以内でも、最大で100件までしか確認できません。履歴を確認する際には、注意しましょう。

⑫不倫に関するクレジットカードの利用明細

不倫に関するクレジットカードの利用明細

不倫中に使ったクレジットカードの明細も、証拠になります。

以下のように比較的高額な支払いをする場合、カードを使う人が多いので、チェックしてみましょう。

  • 遊園地や水族館、映画館のチケット
  • ラブホテル
  • 旅行先のホテルや旅館
  • 高価な飲食店(寿司、焼き肉、フレンチなど)
  • 高価なプレゼント(時計、アクセサリー、財布やカバンなど)

「⑥不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券」と共通する部分があるかもしれません。

クレジットカードの利用履歴は、明細書やアプリで、まとめて確認できますよ。

⑬第三者の証言

第三者の証言

夫婦の知人や友人が、配偶者の不倫について証言をしてくれた場合にも、証拠となる可能性があります。

マンションの隣人や、近所の住人が教えてくれることもあります。ご近所付き合いがあり、信頼できる相手であれば、一度話を聞いてみてもいいかもしれません。

例えば、以下のような内容の証言は、配偶者の不倫を裏付けるのに有効です。

  • 〇月〇日〇時頃、〇〇町のラブホテルに誰かと入るところを見た。
  • 〇月〇日〇時頃、〇〇町で女性と一緒にいたところに居合わせ、口止めをされた。
  • 〇〇町のカフェに呼び出されて、不貞行為を打ち明けられた。

不倫をしている現場を見た、居合わせた場合には、日時が明らかになっていれば、以下のような証拠と組み合わせて、信ぴょう性を挙げることができます。

  • 不倫に関するメモや手帳、ノート
  • 不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
  • 不倫に関するクレジットカードの利用明細

不貞行為を配偶者本人から打ち明けられた場合には、メモや録音があると、強力な証拠となります。

ただし、証言をする第三者が、被害者側の家族や親友だと、証言の公平性に疑問を持たれてしまいます。

証言をしてもらう第三者は、被害者や配偶者と利害関係にない相手であることが望ましいでしょう。

自分で不倫の証拠を集める方法6つ

自分で不倫の証拠を集める方法6つ

ここでは「2.1つでも有効な5個の証拠」や「3.複数集めれば有効となる12個の証拠」で紹介してきた証拠をつかむために、どのような行動を取ればいいのかについて、解説します。

具体的には、以下に挙げる6つの行動に分けて紹介します。

  1. 自宅にある配偶者の持ち物を調べる
  2. 配偶者のカバンや財布の中身を調べる
  3. パソコンやスマホの中身を確認する
  4. 車内を調べる
  5. GPSや防犯カメラなどを設置する
  6. 探偵や興信所に調査を依頼する

証拠を集めるのは、不倫をされている側にとって、あまり気持ちのいいことではありません。信頼されていた配偶者に裏切られていたという事実を、目の当たりにする可能性もあり、気が進みませんよね。

でも、もしあなたが「配偶者に不倫を認めさせて、今の行き詰まった状態から抜け出したい」、「証拠をつかんで、再構築や離婚など、次のステップを考えたい」と考えているのであれば、証拠が不可欠です。

ここでは、ハードルの低い順に、証拠をつかむための行動を並べていますが、どれも行き過ぎるとプライバシー侵害など別の問題に発展する可能性がありますのでご注意ください。

1.自宅にある配偶者の持ち物を調べる

まずできることは、自宅にある配偶者の持ち物を調べてみることです。

証拠が見つかりやすいのは、以下のような場所です。まずは、配偶者がいない時間帯に共用スペースの捜索から始めましょう。

  • リビング
  • 寝室
  • キッチン(冷蔵庫の中や食器棚)
  • 収納(チェストやタンス、収納ボックス、クローゼット)
  • 配偶者の自室(書斎)

これらの場所からは、以下のような書類や物品などの証拠が見つかる可能性があります。棚の奥や引き出しなども、くまなく探してください。

証拠を見つけたら、スマホなどで写真におさめましょう。実物を集めると配偶者にバレてしまう可能性があるからです。

実物のみの写真だけでなく、見つけた際の状況が分かる写真も撮影しましょう。例えば、カバンからレシートが出てきた際には、以下のように撮影します。

レシート

2.配偶者のカバンや財布の中身を調べる

次に調べたいのは、配偶者のカバンや財布です。

自宅などに配偶者がいて、トイレやお風呂などで席を外している間や、寝ているときにカバンや財布を調べると、以下のような証拠を見つけられることがあります。

  • ①避妊具や性交渉に使うグッズ
  • ②不倫に関するメモや手帳、ノート
  • ⑥不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券

証拠を見つけたら、スマホなどで写真におさめましょう。実物を回収すると配偶者にバレてしまう可能性があるからです。実物のみの写真だけでなく、見つけた際の状況が分かる写真も撮影します

また、交通ICカードがある場合は、スマホやパソコンで利用履歴が調べられることがあります。

3.パソコンやスマホの中身を確認する

パソコンやスマホの中にも、有力な証拠が残されていることがあります。

夫婦共用のパソコンがある場合には、チェックが容易です。配偶者個人のパソコンであれば、配偶者が仕事に出かけている間などに確認できるのではないでしょうか。

スマホは持ち歩く人が多いので、トイレやお風呂、寝ているタイミングを狙って調べてみるとよいかもしれません。

ただし、通常パソコンやスマホにロックがかけられていて、IDやパスワードが必要となります。

パソコンやスマホでは、データフォルダや各種アプリなどの場所から、次に挙げるような証拠がつかめる可能性があります。

調べる場所 見つかる可能性のある証拠
データフォルダ ①不倫中の画像や映像
通話アプリ ⑦通話履歴
LINEやメールのアプリ ③LINEやメールの履歴
SNSのアプリ
(TwitterやFacebook、インスタグラムなど)
①不倫中の画像や映像
④不倫相手からのプレゼント
インターネットブラウザ ⑧インターネットブラウザの検索・閲覧履歴

注目したいのが、TwitterやFacebook、インスタグラムなどのSNSのアプリです。

特に匿名でアカウントを使っている場合、画像や映像をアップしているほか、これまでの経緯や行動を詳細に記録していることもあり、有力な手掛かりとなります。

電話番号を使ってアカウントを特定する方法もあります。

また、パソコンやスマホの中に不倫相手との親密なやりとりのLINEといった証拠を見つけた場合、そのデバイスを使ってスクリーンショットを撮影し、自身のスマホやパソコンに送信するというやり方で証拠を確保する方がいらっしゃいます。
そのように収拾された証拠でも有効なのですが、それが唯一の証拠の場合、その証拠が偽造したものであると主張される余地を残すことになりますので、画面に証拠を映した状態でデバイスごと撮影した方が良いかもしれません。

OK:スマホごと撮影 NG:スクリーンショット

証拠探しは、やり過ぎ注意!

不倫の証拠を探すときには、やり過ぎないように注意しましょう。

いくら不倫の事実やその疑いがあっても、必要以上の行為はプライバシー権侵害をはじめとした民事上の違法行為と判断されたり、場合によっては刑事上の責任が発生したりするリスクがあるからです。

法に触れる可能性があっても、「不倫の証拠探し」が目的であれば、基本的には追及されません。配偶者のスマホやパソコンを見ることも、実際は黙認されているのが現状です。

しかしながら、裁判例(東京地方裁判所平成18年6月30日判決)も、「その証拠が、著しく反社会的な手段を用い、 人の精神的、肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって収集されたものであるなど、それ自体違法の評価を受ける場合 は、その証拠能力も否定される」として、収集のための手段が行き過ぎた場合は証拠として認めない旨を述べています。

また、その場合にはそのような証拠収集を行った本人が民事上・刑事上の責任を追及されるおそれがあります。

本来は不倫の被害者である方が、別の違法行為の加害者にならないように、気を付けていただきたいと思います。

4.車内を調べる

不倫をしている当事者にとって、盲点となりやすいのが、車内に残る証拠です。

まずは車内に何か証拠はないか、探してみましょう。ダッシュボードや車検証入れ、シートの隙間やトランクの下など、怪しいところは全て確認します。

調べるタイミングは、不倫相手との密会が行われたと疑われる後が良いかもしれません。

例えば以下のような証拠が、見つかる可能性があります。

  • ⑤不倫相手の私物
  • ⑨カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴

車を不倫相手と使っている場合、車内で不倫相手の私物や髪の毛、使用済みの避妊具などが見つかることがあります。

カーナビは、検索履歴や走行履歴、地点登録等を確認しましょう。不倫相手の自宅や職場、行きつけのラブホテルなどが分かるかもしれません。

ドライブレコーダーのデータは、microSDカードに保存される機種が多いようです。スマホやパソコンでデータ内容を確認し、バックアップを取っておくと良いでしょう。

カーナビ、ドライブレコーダーに証拠を見つけたら、画面に証拠を映した状態で撮影しましょう。これによりデータ改ざんの可能性を主張されるリスクが減らせます。

また、ETCカ―ドの利用履歴は、以下のいずれかの方法で確認できます。

①高速道路や有料道路のサービスエリアやパーキングエリアの利用履歴発行プリンターを使う
ETCカードさえあれば、利用履歴を確認できます。配偶者が個人で車を所有していても、カードさえ手に入れば、確認が可能です。
高速道路や有料道路のサービスエリアやパーキングエリアまで出向く必要がありますが、②の方法より怪しまれずに済みます。

②「ETC利用照会サービス」を使う「ETC利用照会サービス」を使うには、登録に、ETCカード番号と車載器管理番号、車両番号、過去の利用年月日などの情報が必要です。また、すでに登録済みの場合には、利用できません。

5.GPSや防犯カメラなどを設置する

証拠がなかなかつかめない場合、GPSや防犯カメラの設置を考えてみてもいいでしょう。

ただし、積極的に証拠をつかもうとすると、気づかないうちに法律を犯してしまうリスクがあります。この点は後述します。

そこで気を付けたいのが、GPSや防犯カメラを設置するのは、自宅か自家用車内のみにすることです。自宅か自家用車は、夫婦共有の財産のため、違法性を問われるリスクが下げられます。

具体的には、以下のような方法が考えられます。

設置する場所 設置する機器
自宅
(玄関、リビング、寝室)
・防犯カメラ
・ボイスレコーダー
自家用車
(ダッシュボード、シートの下、トランク)
・GPS
・ドライブレコーダー
・ボイスレコーダー

自宅に不倫相手が来ているような気配がある場合には、家の玄関に防犯カメラを設置してみても良いかもしれません。

配偶者が不倫に自家用車を使っているようであれば、車にGPSやドライブレコーダー、ボイスレコーダーなどを設置します。ドライブレコーダーを購入するなら、GPSや車内外の録画・録音機能のあるタイプがおすすめです。

これらの機器の設置によって、不倫相手の自宅や職場、行きつけのラブホテルが分かるほか、以下のような徹底的な証拠がつかめる場合もあります。

  • ①不倫中の画像や映像
  • ②不倫に関する録音データ
  • ⑩GPSの位置情報
【ここがポイント!】自力で証拠を集めるときの注意点3つ

自力で証拠を集める場合、以下3つの行動に気を付けましょう。

①データの捏造や偽造はしない
当然ですが、ありもしないデータをでっちあげてはいけません。

存在しないデータを作ることはもちろん、LINEの文面や写真の一部を加工するのもNGです。不正が明るみに出れば、不倫を認めさせるどころか、自分が罪に問われる危険があります。

②オリジナルデータは残す
どんなデータであっても、オリジナルデータは残すようにしましょう。尺の長い動画を切り抜いただけでも、証拠能力を疑われてしまうリスクがあります。

編集の必要があったとしても、オリジナルデータを直接編集することは避け、コピーしてから編集するようにしてください。

③不倫相手の自宅や職場には手を出さない
不倫相手の自宅や職場が分かっていても、出向いたり、GPSやボイスレコーダーを仕掛けたりしてはいけません。住居侵入罪などの罪に問われる可能性があります。

GPSや防犯カメラの設置は、自分のテリトリー内である、自宅や自家用車だけにしましょう。

また、その場合でも違法性を指摘されるリスクがゼロになっているわけではありません。

防犯カメラやGPSの設置に関しては、ご自身の判断で行うのではなく、可能であれば次で紹介する探偵や興信所への依頼を検討することをおすすめします。
また、すでにお持ちの証拠(不倫相手とのLINEでのやりとりや配偶者の不貞の自白録音など)から、不倫があったことの証拠としては十分であるという場合もあります。この場合は無理にリスクをおかしてそれ以上の証拠集めをするメリットが薄いといことも考えられます。
現状の証拠で不倫の証拠として足りるか、仮に相手が不倫の事実を否定したとしても慰謝料請求ができるかということを専門家に確認してみると良いと思います。

先にも述べましたが、不倫の被害者であるあなたが知らず知らずのうちに加害者になってしまうということだけは避けてほしいです。

6.探偵や興信所に調査を依頼する

自分で証拠を集めるのが難しい、抵抗があるという場合には、探偵や興信所への調査依頼を検討してもいいのではないでしょうか。

探偵や興信所に調査を依頼した場合の、主なメリットとデメリットは、以下の表の通りです。

メリット 不倫しているかどうかが分かる
徹底的な証拠をつかむことができる
デメリット 数十万円以上の費用がかかる
証拠が出ない場合もある

主なメリットは、自分で調べるよりも、確実に不倫の事実が分かり、証拠をつかみやすい点です。一方のデメリットは、高額な費用が必要で、証拠が出ないリスクもある点です。

依頼を考えるうえで、最も気になるのは、費用の相場ではないでしょうか。探偵や興信所の費用の相場は10~100万円と幅が広く、ピンキリです。調査にかかる時間と人員が、費用の金額を左右します。

このことから分かるのが、探偵や興信所の調査依頼で、費用対効果を最大限にするには、時間と手間をかけさせないのが一番だということ。

そこで、可能な限りまでは自力で、不倫相手の素性や2人の行動パターンを調べ、「不倫現場を押さえられそうな日時や場所」を特定してから、探偵や興信所を使うことをおすすめします。

そうすれば、探偵や興信所が徹底的な証拠をつかみやすくなり、費用も最小限に抑えられます。

浮気の証拠として認められないもの

一方で、以下のような証拠類は、慰謝料請求の証拠としては認められにくいと考えられます。

  • 業務メール、日常的な会話をしているメール、肉体関係が確認できないメールまたはSNSの投稿
  • 食事をしているだけの写真
  • 不倫相手の自撮写真

不貞慰謝料請求においては、パートナーと浮気相手の不貞行為の証明が重要となるため、日常的なやりとりの記録のみでは浮気の証拠としては認められにくい傾向にあります。

写真やスクリーンショットについても、改ざんや偽造がされやすく証拠として認められない可能性があることから、自分で撮影する際にはなるべく動画をとることをおすすめします。

また、違法に入手した証拠もプライバシー侵害等で違法性を指摘されるリスクが生じることはすでに説明したとおりですが、これらの証拠は裁判所で信頼性のある証拠として認めてもらえなくこともありえます。

不倫の証拠がどうしても見つからない時のヒント

不倫の証拠がどうしても見つからない時のヒント

「確実に不倫をしているはずなのに、どんなに探しても証拠が見つからない…」

証拠がつかめない場合、相手に不倫の事実を認めさせるのが難しくなります。

不倫していることを認めさせられないと、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • 離婚を希望していても、認めてもらえない
  • 離婚調停が長期化する
  • 慰謝料を請求しても、もらえない
  • 慰謝料を低額で済まされる

配偶者は不倫相手と楽しく恋愛しているのに、自分ばかりが、つらく、苦しい思いをしている…不倫の証拠は全くつかめず、事実さえ証明できない。

成果の出ない証拠探しにも疲れ、八方ふさがりの状況に絶望しているのではないでしょうか。

でも、決して諦めないでください。証拠がなくても、打つ手立てはあります。

ここでは、証拠が見つからないときの解決方法を3つ、紹介します。

1.小さな証拠でも集めておこう

相手に突き付けられそうな、強力な証拠が見つからないときには、どんなにささいな証拠でも集めておくことをおすすめします。

例えば「2.1つでも有効な5個の証拠」で挙げたような決定的な証拠がつかめない、あるいは「3.複数集めれば有効となる12個の証拠」で挙げたような証拠も、うまく集められないこともあるでしょう。

それでも、小さな証拠が、示談交渉で配偶者や不倫相手に不倫を認めさせる材料になるかもしれません。

「役に立たないから」と切り捨てず、どんなものでも取っておきましょう。

2.証拠がなくても離婚や慰謝料の交渉はできる

証拠がなくても、離婚や慰謝料について、相手方と交渉することは可能です。

そもそも証拠が必要なのは、配偶者や裁判官に不倫の事実を認めさせるためです。つまり、確たる証拠がなかったとしても、不倫が事実だと認めさせられれば問題ありません。

証拠がなくても不倫を事実だと認めさせるには、以下2つのケースが考えられます。

①配偶者の協力が得られる場合

配偶者が罪悪感に耐えかねて、不倫の事実をカミングアウトするケースもあります。配偶者が謝罪、反省しており、あなたに離婚の意思がない場合、不倫相手にのみ慰謝料の請求もできます。

配偶者が自白した場合、基本的には配偶者の協力の元、不倫相手を追求します。よって、現時点で証拠がなくても、慰謝料の交渉が可能です。

【実際にあった!】弊所の解決事例を紹介します

奥様より、「夫の不貞相手に慰謝料を請求したい」というご相談がありました。
問い合わせ時は、夫が自分から自白したという事実のみで、自白の録音もなく証拠はなし。さらに、不貞相手は不貞発覚後に職場を辞めており、行方が分からなくなってしまうおそれもありました。
夫の協力を得ながら早期に対応した結果、証拠がなくても100万円の慰謝料を獲得できました。

②不倫相手が不倫の事実を認めた場合

不倫相手の場合、証拠がなくても「弁護士に相談します」と告げるだけで、不倫の事実を認めるケースがよくあります。不倫した側も、大事になることを望まないからです。

不倫トラブルで裁判に進むことは少なく、ほとんどの場合、示談交渉で決着がつきます。

そのため、証拠がなくても交渉次第で、希望に沿う形での、離婚や慰謝料の請求が可能です。

3.不倫を疑ったらメモや日記を付けよう

証拠がないときや、見つける自信がないときには、配偶者の行動についての記録や自分の気持ちを、メモや日記として残しておくのがおすすめです。

具体的には、以下のような内容を記録しましょう。

メモや日記に残しておきたい内容
  • 配偶者の行動(出社時間や帰宅時間、飲み会、出張、外出、外泊など)
  • 配偶者の発言(ささいなことでもOK)
  • 配偶者に何をされて、言われて、自分がどんな気持ちだったのか
  • 健全な夫婦としての生活を送っていることが伝わる内容

不倫をされているときにメモや日記を付けることには、以下のようなメリットがあります。

不倫についてメモや日記を付けるメリット
  • 誰にでも簡単にできる
  • 配偶者にバレにくい
  • 配偶者の日々の行動パターンが分かる
  • 配偶者のウソや発言の矛盾点に気づける
  • 他の証拠の裏付けとなる
  • 日記自体が証拠となる場合もある
  • 自分の気持ちを整理できる

メモや日記を付けるのは、誰にでも始められる、簡単な習慣です。

始めるハードルが低いにもかかわらず、配偶者の日々の行動を分析でき、有力な証拠の獲得につながる可能性があります。相手のウソや発言の矛盾に気づくきっかけともなり、他の証拠の裏付けにもなります。

自分の気持ちを文字として吐き出すことは、時に、つらく、苦しい、持っていき場のない感情の整理にもなるでしょう。記録したメモや日記は、あなたの武器であり、心強い味方でもあるのです。

自分の日記を不倫の証拠にするための注意点
  • 毎日続ける
  • ルーズリーフではなく、糸綴じなど、製本されたノートなどを使う
  • 鉛筆やシャーペンではなく、消せないボールペンや万年筆で書く
  • 余白を開けずに書き、後から書き足さない
  • 誰にでも読めるような、丁寧な字で書く
  • 自分に不利になる事実は書かない

日記につづった内容を証拠として使うためには、それなりの説得力が必要です。

内容の改ざんを疑われ、証拠の信ぴょう性を下げるような行為は、避けてくださいね。

不倫の証拠を相手に見せると不利になる可能性がある

不倫の証拠を相手に見せると不利になる可能性がある

不倫の証拠は、なるべく配偶者や不倫相手に見せないようにしましょう。離婚や慰謝料の交渉を進めていくうえで、不利になる可能性があります。

特に「2.1つでも有効な5個の証拠」に挙げたような決定的な証拠は、絶対に見せないようにしましょう。

証拠をつかまれたことに気が付いた相手の行動次第では、せっかくの有力な証拠が、使えなくなってしまいます。

ここでは、不倫の証拠を相手に見せたときに、不利になる理由を解説します。

1.証拠隠滅などの対策をされる

配偶者や不倫相手が、自身の不倫の証拠をつかまれていると気づいたとき、まずすると予想されることは証拠隠滅です。

次に、これ以上証拠をつかまれないような対策を取るでしょう。配偶者に取られそうな対策として、具体的には以下の方法が考えられます。

  • スマホやパソコンの画像や映像などのデータを消す
  • スマホやパソコンの履歴を消す
  • カーナビの検索履歴や走行履歴、地点登録を消す
  • ドライブレコーダーの録画データを消す
  • スマホの設定を変える(ロックをかける、パスワードを変えるなど)
  • スマホやクレジットカードを新たに登録し、使い分ける

配偶者に証拠隠滅を図られてしまうと、それ以上の証拠がつかめなくなります。もし不貞行為を知っている事実や証拠を、相手方に突き付けたくなってもグッとこらえてください。

どうしても本人や不倫相手に直接文句を言いたいのなら、全ての証拠を調べ終えてからにしましょう。

2.アリバイ工作をされる

配偶者や不倫相手に見せてしまった不倫の証拠が、不貞行為を裏付ける画像やLINEだった場合、その日時のアリバイ工作をされる可能性もあります。

友人や同僚に口裏を合わせてもらい、証言をさせたり、フェイク画像を作ったり。多くの場合、アリバイで真実を覆すことは困難です。

とはいえまれに、アリバイによって証拠が無効になるケースもゼロではありません。

「3.複数集めれば有効となる12個の証拠」にあたるような、決定的とはいえない証拠の場合、アリバイに負けてしまうかもしれません。

3.弁護士を付けられる

手持ちのカードが「不倫の証拠を持っている」だけの状態で、相手方に弁護士を付けられてしまうと、途端に形勢が不利になる場合があります。

弁護士は法律の専門家です。自分では「不当だ」と思える理由であっても、慰謝料の減額交渉などをされると、どう応じればいいのかが分からなくなってしまうでしょう。

弁護士の交渉にうまく対応できず、結果として、自分で考えていた希望額や条件を通すのが難しくなるかもしれません。

弁護士を通した交渉に切り替えられれば、本人に直接言いたかったことも言えず、被害者なのにもかかわらず、非常に悔しい思いをさせられる可能性もあります。

4.夫婦の関係が悪くなる

不倫の証拠を探していることや、すでに証拠をつかんでいることが相手方にバレると、夫婦関係が悪くなってしまう場合もあります。

それまで配偶者にバレていないつもりで、配偶者と不倫相手の両方にいい顔をしていたとしても、バレたことが分かれば、どんな態度を取ってくるか分かりません。

最もマシなのは、不倫の事実を認め、謝罪してくるパターンでしょう。

反対に、ごまかしたり、ウソをついたりして不倫の事実を否定する、あるいは認めながらも言い訳をするなど、開き直るような反応だった場合、夫婦関係にヒビが入るのは間違いありません。

夫婦関係が悪化すると、離婚や慰謝料の交渉が難しくなってしまうかもしれません。

不倫の証拠を集める際のポイント

このように、不倫の証拠は1つだけでも有利になるものもあれば、他の証拠と組み合わせることで有効性が上がるものもあります。

もっとも、証拠集めに関しては、以下の注意が必要です。

捏造・加工しない

証拠がないからといって自分で捏造や加工をしてしまわないように注意しましょう。

捏造・加工された証拠は、不貞行為の証拠として認められない可能性があるだけでなく、犯罪が成立する可能性があります。

違法性を疑われる方法で証拠を集めない

位置情報やデータを把握できる不正アプリを無断で配偶者の携帯電話にインストールしたり、盗聴・盗撮・住居侵入を行わないように注意しましょう。

このような方法で収集された証拠は、違法収集証拠として証拠として認められません。

また、犯罪行為にあてはまる可能性が高く、あなたが罪に問われる可能性があります。

証拠の収集方法が適切かどうかの線引きは難しいことが多いです。そのため、不倫の証拠集めは専門家に相談しましょう。

配偶者・不倫相手に証拠を突きつけない

不倫をされると、証拠を突き付けて配偶者や不倫相手を追求したくなるものです。

しかし、本来の目的を達成できる見込みのない段階で証拠を見せてしまうと、配偶者や不貞相手に証拠の隠蔽や言い逃れの機会を与えてしまうことになり、証拠が意味をなさなくなるリスクがあります。

そのため、慰謝料請求をするまでは、証拠があることを知られないようにすることが必要です。

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他の事例も気になる方は「不倫・浮気の不貞慰謝料を獲得した解決事例」も、ぜひご覧ください。

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まとめ

この記事では、不倫の証拠について解説しました。

紹介したのは、以下18個の不倫の証拠です。

1つでも有効な証拠と、複数集めることで有効となる証拠の2つのレベルに分けられます。

有効レベル 証拠品リスト
1つでも有効 ①不倫中の画像や映像
②不倫に関する録音データ
③LINEやメールの履歴
④妊娠・堕胎の事実書類や子のDNA鑑定
⑤不貞行為を認める念書や誓約書、動画・録音データ
複数集めると有効 ⑥避妊具や性交渉に使うグッズ
⑦不倫に関するメモや手帳、ノート
⑧不倫相手からの手紙やカード
⑨不倫相手からのプレゼント
⑩不倫相手の私物
⑪不倫に関するレシートや領収書・ポイントカードやサービス券
⑫通話履歴
⑬インターネットブラウザの検索・閲覧履歴
⑭カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの利用履歴
⑮GPSの位置情報
⑯交通ICカードの利用履歴
⑰不倫に関するクレジットカードの利用明細
⑱第三者の証言

これらの証拠をつかむためには、以下6つの行動が有効です。

  • 自宅にある配偶者の持ち物を調べる
  • 配偶者のカバンや財布の中身を調べる
  • パソコンやスマホの中身を確認する
  • 車内を調べる
  • GPSや防犯カメラなどを設置する
  • 探偵や興信所に調査を依頼する

不倫の証拠を見つけたいときには、ぜひ参考にしてくださいね。

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新妻 俊稀
執筆者 弁護士新妻 俊稀 千葉県弁護士会 登録番号65131
私は、弁護士として、法律上の問題解決に向けて丁寧に取り組むことはもちろんですが、まずはお客様のお話に真摯に耳を傾け、気持ちの面でもしっかりと寄り添い共に最良の解決を目指していきたいと思っています。そのためにも、法律知識の習得だけでなく、人間力を磨き、よりお客様が相談しやすい弁護士を目指して努力してまいります。
得意分野
契約法務 、 人事・労務問題 、 紛争解決 、 債権回収 、 不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件 、 遺産相続
プロフィール
福島県出身
慶應義塾大学法学部法律学科 卒業
民間企業勤務
弁護士登録
東京スタートアップ法律事務所入所
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